資金ショートすると会社はどうなる?資金ショートを凌ぐ方法を徹底解説!
会社が倒産するのは資金ショートした時です。
倒産という最悪の事態は、赤字になった時でもなく、債務超過になった時でもなく、従業員がいなくなって事業が継続できなくなった時でもありません。
現金が不足する状態=資金ショートした時だけが唯一、会社が倒産する理由です。
ですので、経営者や経営担当者は絶対に資金ショートを防がなければなりません。
ここでは、資金ショートしそうな場合どのように対応するべきなのか?また資金ショートで倒産寸前の場合どのように凌げばよいのかについて説明します。
【約1分】Webでカンタン資金調達の無料診断
もし、少しでも資金繰りに不安がありましたら、「今いくら資金調達が可能か?」Webでカンタン無料診断できます。あなたに最適な方法をご提案しますのでお気軽にご利用ください。
目次
【資金ショートが起こるパターン】
まずは資金ショートが起こりがちなパターンについて説明します。
もちろん資金ショートが発生する事が予見されていたのにみすみす放置する経営者は存在しないはずです。
例えば、最低限きちんと資金繰り表をつけておけば資金繰りが危ないタイミングは事前に把握する事が可能です。
また、経営状態が危ない会社は先に赤字や債務超過に陥っている可能性が高いため、資金ショートしそうだと予想しやすいと言えます。
つまり、売上不振などによる経営悪化に伴う資金ショートについてはよほど急激なものでない限り事前に対策が打てるのです。
注意するべきは不意のトラブルによって発生する資金ショートです。
予定していた売掛金が回収できない
よくある資金ショートの理由として挙げられるのが、予定していた売掛金が回収できない場合です。
例えば大口の取引先が倒産して売掛金が回収できなかったり、支払いが滞った場合その影響を受けて資金ショートする会社は少なくありません。
このようなリスクのコントロール方法としては
- 日頃から与信管理をしっかり行っておく
- 取引先を分散させて取引先が倒産した場合のリスクを分散する
- ファクタリングや手形などを利用して回収リスクを減らす
などの方法が考えられます。
資金繰りが間違っていた
次に挙げられるケースは経営者が知っている資金繰りが実際の資金繰りと異なっていて気付いた時には遅かったというパターンで一番予想が困難なケースでもあります。
例えば、経理担当者などが会社の資金を横領していて嘘の資金繰りを経営者に報告していて経営者が気づいた時には遅かったというケースが考えられます。
これは極端な例ですが、経理担当者に任せきりで実情を把握できていないという状況は避けましょう。
会計が苦手な経営者も会社の資金繰りについて帳簿と実際のキャッシュフローをしっかりとチェックするべきです。
不意に大きな出費が発生する
不意に大きな出費が発生する場合も資金ショートになる可能性があります。
例えば、社用車が大きな事故を起こして多額の損害賠償の支払いが必要になったり、重要な生産設備が壊れて多大な補修費が必要になるなど、事の大小は違うとしても会社経営に突然の出費はつきものです。
保険等を利用してリスクヘッジできる事例は大丈夫ですが、突発的なケースに備えて日頃から運転資金に余裕を持った経営を行う事も必要だと言えます。
【資金ショートが発生した・しそうな場合の振る舞い方】
このように資金ショートはある日突然発生するというケースも少なくありません。
では、資金ショートが発生した、あるいは数週間・数か月後に資金ショートが発生する事が判明した場合、経営者や経営担当者はどのように振る舞えば良いのでしょうか。
もちろん、銀行融資により補填できる場合はそれに越した事はありませんが、銀行から融資が受けられないケースについて説明します。
資産を売却する
まず、一番はじめに検討するべきなのが余剰資産を売却することです。
例えば、投資用に購入した土地や建物、ゴルフ会員権など、会社の利益に貢献しない余剰資産については、資金ショート時はそのまま保有するより現金化して会社の資金に充当するべきです。
また、売掛金のファクタリングや手形割引などを使って急場を凌ぐ方法も考えられます。
このように保有している資産の中で現金化するべき資産を整理しましょう。
支払いに優先順位をつける
仮に保有している資産を現金化してもまだ足りない場合、次に考えるべき事は何を優先的に支払うかという事です。
一番優先しなければならないのは手形や小切手で、半年間で2回の不渡りで銀行取引が停止となり、事業を継続する事が非常に困難になりますので必ず支払わなければなりません。
次に優先するべきなのが、人件費や外注費です。
人件費や外注費が支払えなければあっという間に社員は退職しますし、外注先も仕事を請け負ってくれなくなります。
事業を継続させる場合は、人件費・外注費も優先的に支払うべきでしょう。
一方で、きちんとした手続きや丁寧に対応することで支払いを伸ばせる可能性があるのが、銀行借入や社会保険、税金などです。
人件費や外注費は支払わなければ事業が継続できませんが、借入や税金はリスケ交渉をする余地があります。
このように支払いに優先順位をつけて事業を維持できるよう、支払い可能な現金は最大限有効に使いましょう。
【資金ショートと倒産】
資金ショートして余剰資産を売却したり、支払いを工夫してもどうしようもない場合、会社を倒産させる事も視野に入ります。
もちろん、倒産は良い事ではありませんが、無理に会社を存続させるよりも会社を倒産させてしまった方が良いケースも存在します。
会社更生法や民事再生法などの適用を受ける事によって会社の立て直しを図るケースもあり、一度清算して次の機会に備えた方が経営者にとって良い場合があります。
例えば、資金ショートが発生した時に会社を倒産させないよう個人で多額の借り入れを行うなどで無理に存続させてしまうと、かえって倒産した時の傷口を広げる事にもなりかねません。
経営者の視点で考えた際に、引き時というのは非常に重要で、回復の見込みが薄い場合や資金繰りがその場のマイナスを埋めるだけで、同様の資金ショートが繰り返す可能性がある場合は慎重な判断が大事です。
ですので資金ショートしそうな場合、無理やりでも事業を継続させるか、潔く会社を清算するのか、経営者にとって非常に重要な決断だと言えます。
【最後に】
以上のように、資金ショートについて説明してきました。
会社が倒産するのは唯一資金ショートした場合のみです。
ただし、ただ資金ショートしただけなら、まだ立ち直れる可能性があります。
例えば、仕入先への支払いができなかっただけならば日頃からの信頼関係が構築されているのならば1か月だけ支払いを待ってもらい、その間に余剰資産を売却して現金を作って運転資金を作れば立ち直れるかもしれません。
また、取引先からの支払いが1か月遅れている事によって資金がショートしそうなら、1か月だけ経営者が役員報酬を返上したり、自分の貯金を会社に貸し付ければ1か月後には正常化しているかもしれません。
このように単なる売掛金回収の遅れに伴う資金ショートなら支払いの工夫次第で充分に挽回可能です。
また、不意の急激な出費によって資金がショートしてしまう場合についても、事業自体が黒字ならば、銀行から融資を受けられる可能性もありますし、支払いを工夫して乗り切る事も可能です。
一番厄介なのは事業が構造的に赤字を発生させている事によって資金がショートしているケースです。
この状態で資金がショートする場合は会社を倒産させる判断が必要です。
もちろん倒産という事は良い事ではありませんが、赤字で資金ショートしている会社に無理やり個人資産を注入して傷口を広げる可能性があります。
それなら事業を継続するよりもすっぱりと倒産させてしまった方が経営者としては幸福な場合というのは少なくありません。
もちろん、資金繰りがショートしないような経営を行う事は重要ですが、取引先の売掛金未払いや不意の出費はどこの会社にも起こり得る事ですので、資金ショートしそうな場合でも冷静に対処する能力が経営者には求められます。
【約1分】Webでカンタン資金調達の無料診断
もし、少しでも資金繰りに不安がありましたら、「今いくら資金調達が可能か?」Webでカンタン無料診断できます。あなたに最適な方法をご提案しますのでお気軽にご利用ください。
・関連記事はこちら
※資金調達ガイドでは様々な資金調達方法をご紹介していますので資金面で気になる点がありましたら参考にして下さい。