資金繰りが足りない時の解決法とよくある失敗例とは?
会社を経営していく上で向き合っていかなければならない問題の一つが資金繰りです。
いつも順風満帆であれば問題ありませんが、現実はそう甘くない場合もあり、まさに山あり谷ありと言える状況も発生します。
そんな資金繰りが足りなくなるケースとして失敗例を挙げ、あなたはそうならないように解決法を見ていきましょう。
資金繰りでよくある失敗BEST3!
資金繰りが足りなくなる失敗例として、
- 収支と利益の違いを間違って認識している
- 借入金の返済能力を過信している
- その場しのぎの赤字解消ばかりしている
などが挙げられます。
それぞれどんなものか、あなたはそうはならないように解説します。
収支と利益の違い
まずは簡単に収支と利益の違いから見ていきましょう。
収支とは収入から支出を引いたものになります。
例)バスに乗ってみかんを売りに行きました。
バス代が100円でみかんを売って得た収入が300円。この場合は300円から100円を引いた200円が収支になります。
一方で利益とは売上が発生したかどうかを表すものになります。この場合で言えばみかんを売った300円のことです。
利益が出ているのにおかしいなぁなんて思ったことはないでしょうか。この例で言えばバス代を入れずに数字を見ているのでなかなか問題に気づきにくいかも知れません。
この収支と利益の違いをまずは知っておきましょう。これまで貯めていた資金や前月の売上などがあればもちろんすぐ会社が倒産してしまうという事態にはなりませんが、利益だけで会社の状態を把握しようとすると失敗の原因となってしまいます。
会社を経営する上で当たり前と思われるかもしれませんが利益ばかりに着目して結果として資金繰りに悩まされる人も少なくありません。
借入金の返済能力を過信している
次に借入金の返済能力を過信していませんか。
会社を経営していく上で金融機関から設備投資や運転資金などの融資は切っても切れない関係にあります。
金融機関側もその会社に融資しても返済能力があるかどうかを見極めるためにキャッシュフローを用いてその指標を判断します。
キャッシュフローとは利益に減価償却費を足したものになります。
例を挙げると200万円の利益があり、300万円の車を買ったとしましょう。
この場合、200万円に300万円を足した500万円が金融機関に一年間で支払い可能と判断されます。
会社側からすると、この500万円を一年間で返済できて無借金経営になります。
しかしキャッシュフローで返済できる会社は現状少ないです。実際には不足分を他の金融機関から調達し資金繰りを行います。
金融機関側もこのことを理解しているのでキャッシュフロー以上の金額を融資することが多いです。
加えてキャッシュフロー内の返済でも困っている会社はたくさんあります。
ここに減価償却費の落とし穴があります。
減価償却費は既に支払い済みなので、実際のお金が出ていくことはありません。
しかし減価償却費として計上している固定資産などが故障して修理が必要になることもあります。この際には追加で資金が必要になってきます。
また、減価償却費として計上している物品には新しく買い直さなくてはならない場合もあります。
こう言った修理や新しく購入する設備費は減価償却費として会計上は数年繰り越すことが出来ますが、実際にお金の出て行く支払いはすぐに求められます。
そうしているとキャッシュフロー内で借入したにも関わらず、資金繰りに苦しむ結果に繋がります。
キャッシュフロー内の借り入れであっても突然の出費に対応できる現預金を持っていないと資金繰りは困難になってしまいます。
このように、実際の借入金返済能力を把握しておくことは会社を経営する上で非常に大事なこととなっています。
その場しのぎの赤字解消ばかりしている
会社を経営していく上で赤字を補填するために金融機関から借り入れを考える人も少なくありません。
赤字と言うと悪いイメージがあるかもしれませんが、これは大きく二つに分けられます。
赤字を補填するために行う後向きな資金調達と、売上が増えたために運転資金が必要になったり会社の発展に向けた設備投資などのための前向きな資金調達です。
- 赤字を補填するために行う後向きな資金調達
- 売上が増えたために運転資金が必要になったり会社の発展に向けた設備投資などのための前向きな資金調達
後向きな資金調達と言っても必ずしも悪いわけではありません。会社を運営していくためにお金が必要なのであれば赤字を補填するために融資を受けることは必要です。
しかし赤字の場合は、会社の赤字改善を考えた上での資金調達を行う事が必要です。
借り入れだとしても一時的に現預金が増えると資金繰りが楽になるので安心してしまう気持ちは分かります。
ですが、会社が赤字のままだとせっかく借り入れで資金調達した現預金もいずれはなくなってしまいます。
赤字を解消しないままこれを繰り返すと新しく借り入れた分だけ借入金が増えてしまい資金繰りが苦しくなる一方です。
ここで必要となってくるのは黒字化を優先することです。
資金調達してから黒字化を考えるのではなく、黒字化を考えてから資金調達と言う順番が大切になってきます。
当たり前のように思うかもしれませんが、当たり前だと感じるのは冷静な判断ができている証拠です。
切迫した状況ではなかなかこう言った判断は難しく、気がつけば泥沼にはまっているという可能性もありますので注意が必要です。
【最期に】
資金繰りの重要さは未にしていると思います。
一方、よく聞く話、経営者なら誰でも知っている、と感じる場合は今一度意識を高めてみましょう。
基本となる土台を蔑ろにしてしまっては上手く行くものも上手く行きません。
今改めて初心に帰ると言う意味でももう一度見直してみては如何でしょう。
賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶと言います。これらの失敗例を見てあなたのためになれば幸いです。