FUNDIYの評判・口コミは?漫画家やイラストレーターは要チェック!

近年、インターネット上で資金を募るクラウドファンディングは個人・法人を問わず注目を集めています。誤解を恐れずに言ってしまえばクラウドファンディングサイトは乱立している事になるわけですが、数が増えるにしたがってそれぞれ独自の強みを持つクラウドファンディングサイトが登場するようになってきました。比較的新しく誕生したFUNDIYも、そうした独自の強みを持つクラウドファンディングサイトの一つです。

ここでは、そんなFUNDIYの詳細についてご紹介しています。

 

FUNDIYとは

数あるクラウドファンディングサイトの中でも、特に

・漫画
・アニメ
・書籍関連

などのプロジェクトを多く扱っている事で知られるFUNDIY。

あくまでも中心としているのは上記のジャンルですが、他にも

・映像
・イベント
・ゲーム

など幅広いプロジェクトを扱っています。

他のクラウドファンディングサイトに比べると数こそ少ないですが、2017年2月時点で56のプロジェクトで約9,200万円もの資金を集めているFUNDIY。利用している方は漫画家イラストレーターが多く、プロからアマチュアまで幅広い年齢層の方が利用しているのが特徴的です。

FUNDIYの沿革

FUNDIYは株式会社ビーグリーによって運営されています。
株式会社ビーグリーの誕生は2004年の10月。当初は株式会社ビービーエムエフとして設立されました。まだ一般にスマートフォンが普及していなかった2006年にフューチャーフォン、所謂ガラケー向けのコミック配信サービスである「ケータイ★まんが王国」の運営を開始。その後2013年にはクラウドファンディングサービスであるFUNDIY、イラスト投稿型サイトである「ETOPICA」などを開設。何度かの商号変更を得て2014年には現在の株式会社ビーグリーという商号になっています。

つまり株式会社ビーグリーはコミック配信サービスである「まんが王国」を中核に、ETOPICAやFUNDIYなど主にイラストや漫画のサービスを取り扱っている企業という事になります。株式会社ビーグリーのクラウドファンディングへの参入は2013年。他のクラウドファンディングサイトと比べると新規と言えるのですが、これまで漫画の配信で培った経験やノウハウを活かして注目を集めているのです。

FUNDIYの主な特徴

FUNDIYは全体的に見るとアート系に強いクラウドファンディングサイトと言えますが、中でも漫画とイラストに関しては他のクラウドファンディングサイトに引けをとらないほど注目を集めています。プロジェクトを立ち上げているのも漫画家やイラストレーターが大半を占め、出資者も作品に対するリターンを明確に求めているのが特徴的です。

もちろん、上記以外の項目でも募集を行う事が可能となっていますが、成功率の面で見ればFUNDIYは作家が利用する事を前提としたクラウドファンディングサイトであるというのは間違いありません。

FUNDIYの利用資格者

他のクラウドファンディングサイト同様、FUNDIYは利用する方の制限を特段設けていません。プロ・アマチュア問わず、漫画やイラスト、書籍関連でやりたい事がある方はどなたでも利用する事が可能です。
詳しい利用規約についてはFUNDIYの利用規約(https://fundiy.jp/terms)で確認する事ができますので、一度チェックしておくのが良いでしょう。

FUNDIYの支払い料金・手数料など

プロジェクトの募集を行い成功した方は、クラウドファンディングを運営している会社に対して手数料を支払わなければなりません。

・FUNDIYのシステム手数料は20%

に設定されており、最終的に集まった金額から運営会社に対して支払います。

また、FUNDIYの募集形式は

「All-or-Nothing」募集期間内に1円でも目標金額に足りなかった場合それまでに集まった金額を受け取る事ができない。

「All-in」…例え目標金額に満たなくても集まった支援金を受け取る事ができる。

の2つから選択する事ができます。

どちらも一長一短の方式ですが、通常「All-or-Nothing」を選択するのが一般的となっています。FUNDIYは1日~80日の間で募集期間を設定する事ができますが、例え目標金額を越えても期間内であれば支援は継続されます。自身の状況に合わせて、適切な募集形式を選ぶようにしましょう。

FUNDIYのメリット

・漫画やアニメ、書籍関連の成功のしやすさ

FUNDIYを利用するメリットの一つに、

・漫画やアニメ、書籍関連の成功のしやすさ

が挙げられるでしょう。FUNDIY内の成功したプロジェクト(https://fundiy.jp/discover/success)でもチェックする事ができますが、アマチュアだけでなくすでに業界で成功したプロが多く利用している事が分かります。名の知られた著名な作家が参加しているという事実は、その作家を目当てとしたファンがFUNDIYを利用するという事でもあるのです。

こうして集まったファンに自身のプロジェクトが見られれば、支援を受けられる確率も高まります。すなわち、FUNDIYはプロだけでなくアマチュアに対しても非常にメリットのあるクラウドファンディングサイトと言えるでしょう。

・作品のPRに繋がる

FUNDIYには「All-or-Nothing」と「All-in」という2つの募集形式があるという事は先ほどもお伝えしましたが、目標金額に届かなかった場合でも

・PRに繋がる

という点でメリットがある事を忘れてはいけません。多くの人の目にとまり易いクラウドファンディングサイトはそのPR効果も絶大です。漫画やアニメ、コミックなどはビジュアルを作りやすいですから、特に支援者に対してのPR効果も高まるでしょう。

中には最初から、PR効果を重視してFUNDIYをはじめとしたクラウドファンディングサイトを利用する方も存在しています。これは何もFUNDIYに限った話では無く、作品や製品を目的としたクラウドファンディングサイトでは当たり前に行われている行為です。審査を通過する必要はありますが、迷ったらまずPR効果を狙って利用してみるのも一つの手です。

・運営会社のノウハウ

FUNDIYを運営している株式会社ビーグリーは漫画、電子書籍の配信サービスを10年以上も続けて来た業界の老舖です。漫画や電書籍を配信する際はその出版元と契約を交わさねばならず、必然的に様々なノウハウを蓄積しています。

プロはまだしも、アマチュアならクラウドファンディングを利用しての作品発表を躊躇してしまうような事もあるはずです。審査を通過する前後にFUNDIYのサポートを受ける事ができますので、経験の少ないアマチュアでも安心してプロジェクトを掲載する事ができるはずです。

FUNDIYのデメリット

・他ジャンルの有用性が薄い

FUNDIYは漫画やアニメ、書籍関連の他にも募集できるプロジェクトの種類があります。映像やサウンド、アートや写真、プロダクトデザインまで10種類以上の募集項目が存在しているのです。しかし、その有用性は非常に薄いように感じられます。

漫画家やイラストレーターが利用する事を前提としている以上、必然的にプロジェクトの内容は絞られます。「作品を発表する」という内容のものが多くなっており、数こそ少ないですが「作品をアニメ化」、「書籍化」なども存在します。しかし、ゲームや音楽にまで手を広げると規模が大きくなってしまう為か、そもそも成功したプロジェクトにさえ存在していません。ある意味一点集中型とも言えますが、FUNDIYを利用する方は成功しやすいポイントを抑えてプロジェクトを立ち上げる必要があると言えるでしょう。

・アマチュアが支援金を集めるのは難しい

プロ、アマチュア問わずどなたでも気軽に利用する事ができるFUNDIY。しかし、成功したプロジェクトの内アマチュアが募集を行ったものは非常に少なく、逆にすでに紙面でデビューしたプロが多数を占めています。

漫画やアニメ、書籍というジャンルは作品を見ることができるため、実力の差が特に分かりやすいジャンルです。経験の少ないアマチュアに関しては、FUNDIYに審査してもらう段階で実力が足りず通過できないというケースも多くなっています。Web系のコンテストも含めて何らかの賞を取るという方法、または少しずつ実力をつけ再度チャレンジしてみるのが良いでしょう。

・手数料が高い

FUNDIYの手数料は20%に設定されていると言う事は先ほどもお伝えしましたが、これは日本の他のクラウドファンディングに比較するとやや高めの金額です。ただし、FUNDIYなどの専門性に特化したクラウドファンディングサイトは概ね手数料15%~20%と高めになる傾向があります。上記のメリットを合わせて考えてみれば、それほど高いとも言えないのではないでしょうか。

FUNDIYを使う際のポイント

FUNDIYを使う際に押さえておきたいポイントはいくつか存在しますが、とりあえず「他プロジェクトとの差別化」、「セルフプロモーション」の2点に注意しておけば問題ないでしょう。

・他プロジェクトとの差別化

専門性に特化したFUNDIY内で募集されているのは、そのほとんどが漫画やアニメ、書籍関連のプロジェクトです。これからFUNDIYを利用しようと思っているあなたもおそらくそのようなプロジェクトを立ち上げようと考えているのかもしれませんが、しっかり差別化を行わないと他のプロジェクトに埋もれてしまう可能性が出てきます。上記のジャンルと言えば「出版」が一般的ではありますが、イラストを元にした「プロダクトデザイン」、漫画を元にした「映像」など考えようによっては様々なアイディアがあるはずです。また、募集する詳しい内容が決定した後はインパクトのあるデザインと募集内容を載せる事で間違い無く支援者の目にとまる事ができるでしょう。

・セルフプロモーション

基本的に、プロジェクトのプロモーションはクラウドファンディングサイトで募集をする本人が行うのが一般的となっています。FUNDIYもその例に漏れず、プロジェクトを立ち上げた後は自身でのセルフプロモーションが必須です。TwitterやFacebookなどのSNS、場合によっては動画サイトなどを利用する事になるでしょうが、FUNDIYで中心となっているジャンルは上記の方法と非常に親和性が高くなっています。SNSを利用し、ちょっとしたイラストを掲載するだけでもプロジェクトの成功率は格段にアップする事でしょう。

・実際のプロジェクト立ち上げ

FUNDIYでプロジェクトを立ち上げるためには、まず問い合わせを行わなければなりません。一定の審査に通過すれば、いよいよプロジェクトを立ち上げる事ができます。ちなみに利用を検討しているなら支援者、募集者問わずまず会員登録を済ませておくのがよいでしょう。詳しい進め方についてはFUNDIYのプロジェクトを作る(https://fundiy.jp/project/guidance)からチェックする事ができます。

FUNDIYの成功例

FUNDIYのサイト内では過去に成功したプロジェクトを見る事が可能となっています。ここではその成功例を3つご紹介したいと思います。

・ちばてつや『風のように』劇場アニメーション制作プロジェクト

言わずとも知れた漫画「明日のジョー」を書いたちばてつや氏が募集を行ったプロジェクトです。1969年に書いた読み切り短編をアニメーションにするという内容のプロジェクト。ポストカードやトークイベントなどファンにはたまらないリターンが設定されていましたが、何より大御所の漫画家が募集したプロジェクトという事で早期に募集額に達するほど盛況となりました。

・劇団ヘロヘロQカムパニー 第34回公演「犬神家の一族」舞台装置グレードアッププロジェクト

こちらはFUNDIY内では珍しく劇団に関するプロジェクト。劇団俳優の関智一氏が座長を務める劇団が募集を行い、目標金額の300万円を大きく上回る出資金が集める事に成功。リターンはパンフレットや出演者との記念撮影という豪華なものでした。

・漫画onWeb第6回ネーム大賞入賞「エルソナシンドローム」原稿制作プロジェクト

「佐藤漫画製作所」が運営を行うマンガonウェブ内で開かれたコンテスト、ネーム大賞で入賞を果たした作品を漫画化するプロジェクト。入賞こそ果たしたもののまだデビュー前のアマチュアによるプロジェクトでしたが、最終的には目標金額20万円を達成しました。どちらかと言えばプロの方が支援を受けやすいFUNDIYにおいて、アマチュアでも支援を集められる事を証明した好例と言えるでしょう。

FUNDIYの評判・口コミまとめ

FUNDIYは特に出資者、つまり資金を提供する側からの評判が高いクラウドファンディングサイトです。これはFUNDIYで成功したプロジェクトの多くが、漫画やイラストを元にしたファンにはたまらないリターンを設定していた事も一因です。アマチュアが利用するにはまだまだ敷居の高いイメージがありますが、その反面愛好家が集まりやすい環境が整えられているFUNDIY。一度プロジェクトを掲載してしまえば成功する確率は他のクラウドファンディングサイトより格段に高いと言えるのではないでしょうか。

また、2017年5月18日にはプロとして活躍する漫画家の複製原画や直筆のイラストを購入する事のできるFUNDY STOREがオープンしています。あくまで販売しているのはプロの作品のみとなっていますが、コアなファンがFUNDIYを知る機会が増えたのは間違いありません。漫画やアニメを愛好する特定のファンだけでなく、FUNDIYはこれからより一般層が利用しやすいクラウドファンディングサイトになっていく事でしょう。

【FUNDIYのまとめ】

FUNDIYはプロ・アマ問わず、特に漫画家やイラストレーターの利用が多いクラウドファンディングサイトです。その特性上、出資者も漫画やイラスト、アニメなどのファンが多くなる傾向があります。
自身の生み出したものに絶対的な自身を持っていても、実際に自分以外の人が見なければそれは作品とは呼べません。新たな作品を作るのに資金面で妥協しているという方は、是非ともFUNDIYの利用を検討してみてはいかがでしょうか。