【 徹底解説!】朝日新聞が運営するクラウドファンディング『A-port』とは?【評判・口コミ総評】

 

2015年設立であり、国内のクラウドファンディングサイトとしてはまだ若いA-port。しかし運営元である朝日新聞の情報発信力を持って僅か数年の間に国内でも有数のクラウドファンディングの一つとして成長してきています。ここではそんなA-portの特徴や使い方のポイントについて詳しくご紹介しましょう。

A-port(エーポート)とは

A-portは新聞会社大手の朝日新聞が運営を行っているクラウドファンディングサイト。

米国を皮切りとしたクラウドファンディングでの資金調達は世界的に普及してきているとはいえ、まだまだ日本では定着しきっているとは言えないのが現状です。

その為、A-portは夢を実現したい人が気軽にクラウドファンディングを利用する事ができるようにするというビジョンを掲げて設立されました。影響力の強い大企業が比較的新しいサービスであるクラウドファンディングに手を広げるという事で、設立当時から大きな反響がありました。

 

ちなみにA-portの名前の由来は、

「夢を持った起案者(実行者)が帆を立てて出港への準備をする港(port)のような存在」と「Adventure(冒険)や行動(Action)を表す(A)」

を組み合わせたものとなっています。

A-portは新聞社が運営しているからこその情報発信力、拡散力を兼ね備えた注目するべきクラウドファンディングサイトとなっているのです。

 

A-portの沿革

A-portが設立されたのは2015年の3月。設立当初より絵画やアートのプロジェクトを取り扱うMotionGalleryと提携しており、運営や決済システムの面でA-portをサポートしていました。2015年10月からは完全に朝日新聞のみでの運営となっています。

 

国内のクラウドファンディングサイトとしては新しい部類に入りますが、設立から僅か半年で約5,000万円の取引額を達成するなど、圧倒的な勢いを持っているのが特徴的です。

 

A-portの主な特徴

上記でMotionGalleryと提携していたとご説明しましたが、これはA-portがMotionGalleryの「夢を追う人を支援する」というビジョンに共感したのがきっかけです。実際の業務提携はMotionGalleryが行うASPサービスをA-portが利用する形で行われていました。

 

A-portは支援者に対してお返し、すなわちリターンを送る「購入型」のクラウドファンディングとして運営が行われています。

設立当初は製造やビジネス、社会支援など一定の枠組みに収まるプロジェクトが多かったのですが、掲載数が増えるにしたがってストーリー性を持ったもの、ワクワクするものなどプロジェクトの幅がより広がっている印象を受けます。

もっと具体的にジャンルで言うならば、音楽や写真などのアート系、テクノロジーやファッションなどの製造系、運営元が朝日新聞という事も理由としてジャーナリズムなどの分野もあるのです。

 

新聞社が強みとする情報発信力を最大限活用し、編集者がプロジェクトをより良いものとする手伝いをしてくれるなどA-portでは利用者に寄り添った運営が行われているのが特徴です。

実績のある朝日新聞が運営している事、またユーザーからの通報制度や審査体制の強化を理由として良質なプロジェクトが数多く、着実に利用者を伸ばしているクラウドファンディングサイトとなっているのです。

 

A-portの利用資格者

A-portは年齢・性別に関わらずどのような方でも利用する事が可能です。ただし、未成年者の場合は支援・起案に関わらず事前に親権者の同意が必要となります。個人だけでなく法人や団体などでも利用する事ができ、敷居は非常に低いと言えるでしょう。

 

起案者に関して言うならば特段必要ありませんが、支援を行う際は会員登録(https://a-port.asahi.com/reg-member-entry/ )が必須となっています。海外から支援を行う事も可能ですが、リターンに関して事前に起案者との交渉が必要になってくる事を覚えておきましょう。

 

A-portの支払い料金・手数料

プロジェクトの掲載時、起案者がA-portに対して支払うようなものは何もありません。つまり手数料などの支払いはすべてプロジェクトが終わった後となっていますが、このA-portに支払う手数料は2種類の方法によって20%~25%で変動します。

 

A-portではプロジェクトを行う際2種類の方法を選ぶ事が可能です。

①All or nothing

これは目標金額を達成したのみ手数料を支払う必要が出てきます。

②実行確約型

これは他のクラウドファンディングサイトでよく見られる「All In」という方法と同じです。この場合、目標金額に到達しなくとも達成した資金を手にする事ができ、最終的に手数料を払う必要性が出てきます。

 

ここで注意して頂きたいのは、

方 法 手数料
All or nothing 20%
実行確約型 目標金額を達成した場合 20%
達成できなかった場合 25%

「All or nothing」では20%、「実行確約型」では目標金額を達成した場合が20%、達成できなかった場合が25%とそれぞれ違う手数料が設定されているという事です。

一見「All or nothing」を選んだ方が得策に思えますが、「実行確約型」は既に実行が決まっているもの、過去の実施した実績があるものなどが適しています。自身の状況に合わせてこの2種類の方法を使い分けるようにしましょう。

 

A-portのメリット

圧倒的な信頼性

A-portのメリットの一つに、名の通った企業が運営しているという圧倒的な信頼性が挙げられるでしょう。

名の通った実業家、大きな企業がクラウドファンディング業界に参入してくるという事はこれまでもいくつかありましたが、大企業かつ1879年創業という歴史のある朝日新聞がクラウドファンディング業界に参入した際はメディアを中心に大きく取り上げられるほどの反響があったのです。

 

朝日新聞と言えば、読売新聞・毎日新聞と並び日本の3大新聞に数えられるほどの企業です。また、新聞の購読者はどちらかと言えば若年層よりも中高年の方が多くなっています。

実際にA-portのサイト内では「660万部の新聞読者をはじめ、幅広い年代の方にアプローチしていきます」と記載されており、クラウドファンディングという新しいサービスがどのようなものなのか分からない、または興味もないといった中高年にアピールする事にも繋がっているのは間違いありません。

 

朝日新聞の情報発信力

新聞という昔ながらのメディアを取り扱う朝日新聞は、情報発信力にも大変優れています。新聞に直接掲載されるのはもちろんの事、朝日新聞が扱うその他のメディアではA-portの情報を積極的に発信しているのです。

 

A-portの運営元である朝日新聞は一般的にどのクラウドファンディングサイトでも利用されるTwitterやFacebookなどのSNSを利用しているのはもちろんの事、朝日新聞デジタルやTHE HUFFINGTON POSTなどのニュースサイトを運営しているのです。

特にTHE HUFFINGTON POSTでは積極的にA-portに掲載されているプロジェクトやインタビューなどの情報を発信しており、なんとこれまでに8割のプロジェクトが掲載されているのです。

また、海外でも有名なCNN.co.jpと言ったサイトもありますので、今後クラウドファンディングサイトのグローバル化の波に乗り、A-portがプロジェクトを積極的に海外に発信していく事も期待できるでしょう。

 

徹底したサポート

クラウドファンディングサイトではプロジェクトの起案者に対して良質なサポートを提供する事が最早当たり前のように行われています。これは良質なプロジェクトを掲載する事で、より利用者の支持を集める事ができるという点、そして最終的に見れば自社の売り上げに繋がるという点で積極的に行う必要が出てくるからです。

 

A-portでは電話やメールでの問い合わせの他、プロジェクト文章の編集・校正まで行ってくれます。紙・電子問わず様々な媒体で情報を発信し続けている運営元だけに、その編集・校正力は一級品。

実際これまでにA-portに掲載されているプロジェクトをチェックすると、年代を問わずに心に訴えかけてくるような文章のものが多い事に気づくはず。軽すぎず硬すぎず、A-portに編集・校正を任せる事ができれば絶妙な語り口で支援者に訴えかける事が可能となります。

 

A-portのデメリット

プロジェクト数はまだ少ない

A-portのサイト内では進行中のプロジェクトの他、これまでに掲載されたプロジェクトもチェックする事ができます。2017年10月時点で掲載されているプロジェクト数は約200件となっていますが、これは他のクラウドファンディングサイトに比べるとまだまだです。

 

しかし、A-portが2017年に設立されたという事を考えれば少ないとは言い切れないのが現状です。また、比較的新しいクラウドファンディングサイトであるにも関わらずこのように過去のプロジェクトを掲載している事で透明性と信頼性が飛躍的に上昇している事実は見逃せません。

 

20%~25%の手数料

A-portの支払い手数料は「All or nothing」と「実行確約型」によって20%~25%で変動すると先ほどもお伝えしましたが、これはやはり他のクラウドファンディングサイトに比べると高いものです。現段階でA-portは良質なプロジェクトが多く、支援者も集まっている事から順調な成長を遂げているように見えます。

しかし、国内のクラウドファンディングサイトで見ると大手をはじめとして全体的に手数料を安くする傾向が見られるため、このままでは他のクラウドファンディングサイトにシェアを奪われる事態にもなりかねません。

 

時期により手数料を10%~15%に下げるキャンペーンなどを実験的に導入しているので、今後は他のクラウドファンディングを追従して手数料を低くする事も予想されます。手数料はまだ高い部類ですが、上記でご説明させて頂いたサービスを考慮してA-portの利用を検討するのが良いと言えるでしょう。

 

A-portを使う際のポイント

ここからは実際にA-portを使う際に押さえておきたいポイントをチェックしていきましょう。

A-portは「購入型」のクラウドファンディングサイトであり、最終的に支援者に対して何らかのリターンを渡さねばなりません

この点を考えると、まずは魅力的な商品の写真や動画、言うならばビジュアルを意識するのが何よりも重要だと言えるでしょう。特にA-portは構成・編集などのサポート面が充実しているクラウドファンディングサイトですから、プロジェクトの起案者はよりビジュアル面に力を注ぐ事ができます。

 

登録の方法や進め方など、クラウドファンディングを利用する上で必要な情報はA-port内の「よくあるご質問(https://a-port.asahi.com/faq/ )」にまとめてありますので事前にチェックしておくのが良いでしょう。

A-portの成功例

ここでは、約200件近くあるプロジェクトの中からA-portでの成功例を少しだけご紹介したいと思います。

SMAP大応援プロジェクト~新聞メッセージ・どうか届きますように~

2016年に国民的アイドルグループであったSMAPが解散した事はまだ記憶に新しいですが、このプロジェクトは解散後も応援を続けるファンや有志が募集を行ったものです。あくまで一般人による募集だったのですが、新聞内に応援メッセージを記載するという内容で目標金額の1,000万円を超える4,000万円近い金額を集める事に成功しています。

 

この応援メッセージは支援者の名前で構成されており、支援者に対するリターンも主にその権利でした。ある意味とても個人的なプロジェクトに思えますが、それだけ解散後もSMAPの人気がいかに高いか分かる結果となりました。

ちなみに、このプロジェクトはA-port内で2017年時点での最高額を達成したプロジェクトとなっています。A-portではプロジェクト起案者の顔も公表せねばならず、結果的にそれが悪質なプロジェクトをはじく事に繋がっているのも一つの特徴です。

 

SMAP大応援プロジェクト~新聞メッセージ・どうか届きますように~

https://a-port.asahi.com/projects/smapouen/

 

「殺処分0」「野良猫0」へ!!犬猫の不妊去勢手術”無料病院”を作る!!

こちらはNPO法人代表理事を務める溝上奈緒子氏によって募集が行われたプロジェクトです。野良犬・野良猫の殺処分の理由の一つに、放っておくと爆発的に繁殖してしまう事が挙げられます。

去勢手術をすれば問題は無いのですが、東京23区内だけでも野良猫、野良犬に対して手術を行う事は人手や費用の面でまず不可能。このプロジェクトでは、殺処分の対象となる去勢手術前の野良犬・野良猫に無料で手術を受けさせる事ができる病院の開設を目指して募集が行われました。

 

2016年の12月に目標金額の500万円を大きく超える約880万円の資金を集める事に成功。その後2017年の4月にはまだ不完全な状態とは言え、無料病院を作る事に成功しています。

成功の要因としては、トップにYouTubeからの自作動画リンクを貼り付け、見る者の感情に訴えかけるようなプロジェクトページとなっていた事も一因です。

ちなみにリターンはお礼のメールの他オリジナルカレンダーやオリジナルのバッグなども用意されており、社会貢献と製品製造を合わせたような内容は支援者にとってもとても魅力的なものでした。

 

「殺処分0」「野良猫0」へ!!犬猫の不妊去勢手術”無料病院”を作る!!

https://a-port.asahi.com/projects/nekoken560/

 

A-portの評判・口コミまとめ

先にご説明した通りA-portでは「購入型」であれば様々なプロジェクトを掲載しています。過去に成功したどのプロジェクトを見ても言える事ですが、魅力的なリターンが用意されており内容も良質なものが多いのが特徴的です。

 

A-portの審査は国内のクラウドファンディングサイトの中でも比較的厳しいものですが、その反面起案者に対するサポートは充実しています。これらの事から、A-portは起案者・支援者ともに満足度の高いクラウドファンディングサイトとなっていると言えるでしょう。

 

A-portのまとめ

いかがだったでしょうか?

運営元が新聞会社であるだけに、A-portは特に情報発信力に優れたクラウドファンディングサイトです。これまで他のクラウドファンディングサイトで成功する事ができなかった方でも、A-portの情報発信力やサポートを頼りに利用すればあっさりと資金調達に成功してしまうかもしれません。

今回のご紹介を参考に、A-portの利用を検討してみるのはいかがでしょうか。