クリエイター向けクラウドファンディング『Motion Gallery』とは?【評判・口コミあり】

 

2011年から順調に成長を続けているMotion Gallery(モーションギャラリー)はクリエイターの利用が多いクラウドファンディングサイトです。

特に映画や映像関連のプロジェクトには力を入れており、これまでにMotion Galleryを経由して誕生した映画は数多く存在します。

ここではそんな国内クラウドファンディングサイトの一つであるMotion Galleryの詳細、評判や口コミなどをチェックしていきましょう!

 

Motion Gallery(モーションギャラリー)とは

冒頭でもお伝えしましたが、Motion Galleryはクリエイティブ分野のプロジェクトに強いクラウドファンディングサイトとなっています。

音楽やダンス、イベントやアートなど。積極的にクリエイターを後押しするクラウドファンディングサイトである事はMotion Galleryがサイト内で公開している動画などからも伺い知る事が可能です。

クリエイティブ分野の中でも特に映画や映像関連のプロジェクトには力を入れており、これが他のクラウドファンディングサイトには無い強みになっていると言えるでしょう。

このような事から、Motion Galleryは個人や法人を問わずユニークなアイディアを世に送り出したいと思っている方には特に向いているクラウドファンディングサイトと言えるのではないでしょうか。

 

Motion Galleryの沿革

2011年 現在代表者を務める大高健志氏を中心に同年3月「株式会社Motion Gallery」設立
2011年
7月
ファンディングサービス「Motion Gallery」の運営を開始
2013年 順調に利用者数を伸ばし取引額約3,500万円を突破
2014年 米国の大手クラウドファンディングサイト「Indiegogo(インディーゴーゴー)」との業務提携を発表。
これによりMotion Gallery内の一部プロジェクトがIndiegogoの特設ページにも掲載されるようになる。同年、累計支援額が1億7千万円を突破。
2016年 提携先企業も増え、国内でも有数のクラウドファンディングサイトに成長
2017年
9月
創業7周年を迎え公式サイトやコーポレートロゴを一新

 

Motion Galleryの主な特徴

プロジェクトの支援者が、最終的に起案者より何らかのリターンを受け取る「購入型」のクラウドファンディング。

Motion Galleryもこのような「購入型」のクラウドファンディングサイトとなっていますが、扱われているプロジェクトの種類は非常に豊富です。

現在の所、「映画、アニメ、演劇・ダンス、スポーツ、アート、ゲーム、本、フード、写真、コミュニティ、テクノロジー、ジャーナリズム、音楽、プロダクト、パフォーマンス」の全15種類のプロジェクトジャンルが存在しています。(2017年11月時点)

 

上記のようにMotion Galleryでは様々なプロジェクトが掲載されていますが、傾向としてはやはりアートや芸術、クリエイティブ分野に強みを持っているのは間違いありません。

企業や起業家など既にある程度の資金力を持っている方はもちろんの事、資金力が無い学生などでもクリエイティブな活動を行いやすくなっていると言えるでしょう。

 

Motion Galleryの資金調達方法

Motion Galleryの資金調達方法は、コンセプション・ファンディングとプロダクション・ファンディングという2種類が用意されています。

 

コンセプション・ファンディング

コンセプション・ファンディングは、クラウドファンディング業界では一般的となっている「All or Nothing」と呼ばれる資金調達手段です。

期間内に目標金額を達成した場合のみ資金の受け取りでき、目標金額に達しない場合はいかなる場合でもプロジェクトが不成立となります。

確実に実行したいプロジェクトがある場合、製品の反応を見るマーケティング手段としても利用されています。

 

プロダクション・ファンディング

こちらは目標金額を達成していなくても設定期間になればその時点の資金を受け取る事ができる方法です。

クラウドファンディング業界では「All In」方式と呼ばれており、「All or Nothing」に次いで利用されています。

プラダクション・ファンディングを選んだ場合は僅かでも資金が集まっていればプロジェクトを実行しなければなりません。

その為、既に実行段階に進んでいるプロジェクトや過去に成功実績のあるものが適しています。

 

また、Motion Galleryは参加の方法によって利用者をプレゼンターとコレクターに分けています。

プレゼンターはプロジェクトを立案し、資金を募る者。コレクターは掲載されているプロジェクトに資金の提供を行う支援者の事を指しています。

Motion Galleryに限らず、利用者や資金調達方法はクラウドファンディングサイトによって独自の呼称を用いられている事が多くなっています。

興味がありましたら、他のクラウドファンディングサイトもチェックしてみるのはいかがでしょう。

 

Motion Galleryの支払い料金・手数料

Motion Galleryの手数料は、先にご紹介した資金調達方法によって異なってきます。

コンセプション・ファンディング、プロダクション・ファンディングどちらを選んでいても目標金額に到達・または超えた場合の手数料はトータル10%。

プロダクション・ファンディングを選択して目標金額を達成できなかった場合はトータル20%の手数料がかかります。

また、コンセプション・ファンディングを選択し目標金額を達成できなかった場合、支払自体が行われないため当然手数料はかかりません。

一見コンセプション・ファンディングがすべての面で有利に思えますが、状況によってはプロダクション・ファンディングが相応しいという事もありえます。

 

Motion Galleryのメリット

支援者層が若い=マーケティングの場としても有用

Motion Galleryを利用している方は20代~40代が中心となっており、年齢層は比較的幅広くなっています。

一方の支援者層は、立ち上げられているプロジェクトがクリエイティブを中心としている=若者の感性を刺激するようなものが多くなっており必然的に10代後半~30代前半の支援者層が多くなっているのが特徴的です。

 

この事からMotion Galleryは現在の若者がどのような事に関心を持っているかなど、マーケティングの場としても有用である事が分かります。

実行に移して良いものか悩んでいるアイディアがあるのなら、Motion Galleryでとりあえずプロジェクトを立ち上げてみるのも良いのではないでしょうか。

 

業務提携やパートナーシップが多い

クラウドファンディングサイトはインターネットを介した資金調達手段としての側面も持っているため、利用者数の増加が直接サイトの活性化に繋がります。

こうした事からより自社のクラウドファンディングサイトを知ってもらうため、業務提携やパートナーシップを積極的に結んでいく運営会社が増えてきました。

もちろん、Motion Galleryも例外ではありません。

例えば、Motion Galleryは2014年からアメリカの大手クラウドファンディングサイトの一つであるIndiegogoと業務提携を行っています。

Indiegogoと言えばKickstarterと並んで今現在世界中を賑わしているクラウドファンディングサイトの元祖と言える存在ですから、業務提携を結んだ恩恵は計り知れません。

 

また、国内で言えば松竹ブロードキャスティング・映画.comなどの放送事業者、映画を専門に扱うサイトなどとパートナーシップを結んでいます。

国内のものは時期によってパートナーシップを結ぶ企業が変わりますが、これによりMotion Gallery内で立ち上げられたプロジェクトの宣伝や提携先企業のオリジナル企画などを積極的に打ち出していく事ができるのです。

 

海外からの支援も期待できる

先ほど、Motion Galleryは米国の大手クラウドファンディングサイトであるIndiegogoと業務提携を結んでいるという事をお伝えしました。

これにより、Indiegogo内にMotion Galleryの特設ページが掲載され海外からの支援を積極的に狙っていけるようになりました。

 

実際に掲載されるためには一定の審査が必要となりますが、最終的に自身のアイディアで世界に挑戦したいと思っている方などには打ってつけです。

2017年からは日本版のKickstarterの登場や国外市場に特化したクラウドファンディングサイトが登場するなど、今後ますますクラウドファンディング業界のグローバル化が加速していくのではないでしょうか。

 

Motion Galleryのデメリット

競争率が高い

「購入型」でありクリエイティブな分野に強みを持つMotion Galleryですが、デメリットが無いわけではありません。

「購入型」、そしてクリエイティブな分野は国内・国外問わずクラウドファンディングサイトでは最も一般的なものであり、立ち上げられるプロジェクトの数も非常に多くなっています。

公表こそされていないものの、上記の事を考えると全体としてのプロジェクト成功率は3割~4割ほどとなるのではないでしょうか。

 

他のプロジェクトに埋もれてしまわないようにするためにはある程度の工夫が必要です。このデメリットを回避する方法としては、次の項目で詳しくご説明させて頂きたいと思います。

 

Motion Galleryを使う際のポイント

運営にまかせっきりにしない

現在国内に存在するクラウドファンディングサイトは、そのほとんどがプロジェクト立案者のサポートに積極的に取り組んでいます。

当然Motion Galleryも例外ではなく、企画段階のプロジェクトの審査・綿密なブラッシュアップを行ってくれます。

しかし、その他の活動については基本的にプロジェクト立案者の手に委ねられていると言っても過言ではありません。

具体的にプロジェクトの立案者は以下のような活動を行う必要性が出てきます。

 

  • FacebookやTwitterをはじめとしたSNSでの宣伝活動
  • 全体的なスケジュールの管理
  • 支援者に対するリターンの発送、アフターケア

 

上記のように、審査通過後もプロジェクト立案者は様々な活動を行っていかなければなりません。

もちろん、分からない事などがあればMotion Galleryの運営チームに相談を行う事も可能です。

確実にプロジェクトを成功させるために、審査通過後も積極的な活動を行っていきましょう。

 

プロジェクトページで差をつける

他とは違うユニークな企画を考える事も必要ですが、何よりまずは基本的な事で差をつけてみてはいかがでしょう。

クラウドファンディングのプロジェクトページは運営チームのブラッシュアップこそあれ立案者の個性を支援者に一目で伝える事ができるもの。プロジェクトページはどちらかと言えば箇条書きで記された簡潔なページほど成功しやすい傾向があるようです。

支援者に自身の熱い思いを伝えたい気持ちも分かりますが、あまりに長い文章だとかえって敬遠されてしまうかもしれません。伝えたい事はできるだけ簡潔にまとめるよう努めましょう。

 

また、プロジェクトページには動画や写真を掲載する事も可能です。特に動画はプロジェクトページのトップに掲載されるため、支援者の目を引くサムネイル設定も重要になってきます。

ちなみにMotion Galleryのプロジェクトページに掲載される動画の投稿サイトはVimeoとなっていますが、自身作成の動画以外は投稿を禁止しているなどYouTubeなどと比べ規約が厳しい事でも有名です。

こうした事からもMotion Galleryがクリエイター支援に特化したクラウドファンディングサイトであるという事が分かります。

 

特定分野は他のクラウドファンディングサイトを検討

アート全般、特に映像系に強いMotion Galleryですがガジェット系の製品製造などの分野はどちらかと言えば注目されにくい側面があるようです。

これはMotion Galleryのトップページでピックアップされているプロジェクトの傾向を見ても明らかでしょう。

 

製品製造の分野で言えば「Makuake」など成功しやすいクラウドファンディングサイトは国内にいくつも存在します。

あまり拘りを持たず、必要とあればMotion Gallery以外のクラウドファンディングサイトも検討するなど柔軟に対応していくのが良いでしょう。

 

Motion Galleryの成功例

小林啓一監督作品「ももいろそらを」

クリエイティブな分野でも特に映画作品に力を入れているMotion Gallery。

こちらはテレビ番組のディレクター、ミュージックビデオやCM制作などで活躍していた小林啓一氏の長編デビュー作「ももいろそらを」の配給宣伝費を集めるプロジェクトとして立ち上げられました。

本作品は第24回東京国際映画祭の一部部門で最優秀作品賞を受賞し、インディーズ映画界から絶賛されるなど当時非常に注目されていた作品です。

 

「一から映画を作る」というプロジェクトはなかなか支援が集まりにくいものですが、このように「既に完成していた作品を更に広める」という二次的なプロジェクトは比較的成功しやすくなっています。

目標金額は50万円、リターンはコレクター記事やチケットなどが設定されていました。

 

 

「子ども新聞プロジェクト」【第一弾】被災地に学ぼう!プロジェクト

こちらは2014年時点でMotion Gallery内最高の483%の達成率を記録したプロジェクト。

震災から1年半を迎え、その時の体験や経験を子どもの視点で未来に伝えていきたいという思いから企画されました。

具体的には子どもが編集者となり被災地の現状を取材して新聞を発行していくという内容となっており、クリエイター向けのイメージが強いMotion Galleryのプロジェクトとしては珍しい部類に入るかもしれません。

 

本プロジェクトは50万円の目標金額に対し、250万円の支援金額を集める事に成功しています。

全体の経費は450万円と明示されていますので、資金を集めるのが目的ではなくどちらかと言えば多くの人に活動を知ってもらう宣伝としてMotion Galleryを利用したのではないでしょうか。

プロジェクトの立案者は朝日新聞名古屋本社広告部と日赤愛知県支部となっていますので、規模やプロジェクト内容などはとても個人では真似できそうにありません。

しかし、プロジェクトページの分かりやすさ、支出内訳の事前明示など参考にするべきポイントは多いと言えるでしょう。プロジェクトページ内の「アップデート」では活動の経緯を見る事が可能ですので、是非チェックして下さい。

 

 

Motion Galleryの評判・口コミまとめ

映画や映像を中心に、数々の作品を世に送り出して来たMotion Galleryは利用者だけでなく他業界からの評判も上々です。

近年では2015年にMotion Galleryから誕生した製品が受賞した「グッドデザイン賞」や2017年の「クラウドファンディングを活用した資金調達支援」事業者の選定など数多くの受賞を果たしています。

 

また、映画や映像の分野はメディアと親和性が高い分野となっており、Motion Galleryがマスコミに取り上げられる機会は日を追うごとに多くなっているのは間違いありません。このような事から今後はますます利用者や支援額が増加していくのではないでしょうか。

Motion Galleryのまとめ

いかがだったでしょうか。

今回のご紹介で、Motion Galleryが特にクリエイター支援に特化したクラウドファンディングサイトであるという事が分かって頂けたかと思います。

これまで資金の問題でアイディアの実現化を果たせなかったクリエイターの方は、是非ともMotion Galleryの利用を検討してみては。