世界中で注目『フィンテック革命』サービスとメリット・デメリットを徹底解説!

 

新聞やTVを中心にフィンテックというワードを聞く機会が増えてきています。

国内に於ける認知度は未だ高くなく浸透しているとは言い難いものの、ITを使用した新しい金融サービスであるフィンテックは、アメリカを中心として世界中で盛り上がりを見せており、国内の大手企業や投資家達の間でフィンテックが注目を集めています。

ここではまだフィンテックを知らないという方に向けて、フィンテックがどのようなものなのか、主要なサービスや関連している企業、フィンテックを活用した事業融資サービスの具体例、メリットやデメリットなどを含めてフィンテックを紹介します。

【約1分】Webでカンタン資金調達の無料診断
もし、少しでも資金繰りに不安がありましたら、「今いくら資金調達が可能か?」Webでカンタン無料診断できます。あなたに最適な方法をご提案しますのでお気軽にご利用ください。

>>Webでカンタン無料診断フォームはこちら

フィンテック(Fin Tech)とは何か

フィンテック(Fin Tech)とは金融(Finance)と技術(Technology)を合わせた造語で、簡単に言うと金融とITを融合させた新しいサービスです。

以前は金融機関や営業店舗の勘定システムなどごく一部を指していましたが、国内で普及し始めてからは「ITと金融を融合させた新サービスが次々と登場してくる現状」を総合してフィンテックと呼ぶこともあり、明確な定義はありません。

フィンテックのサービスには電子マネーやオンライン決済なども含まれており、国内の公的機関ではフィンテックを「電子決済等代行業者」と表現する事もあり、フィンテックという言葉の意味自体が徐々に変化しているとも言えるでしょう。

名前を知らなくても既にフィンテックを使っている・または触れている方は少なくなく、意外に身近な存在であるのも事実です。

世界のフィンテック事情

フィンテックはアメリカで誕生したサービスでアメリカでは既にフィンテックの技術を用いたサービスが数多く存在しています。

国内では2015年頃からメディアで取り上げられ始めたため、フィンテックの歴史はまだ浅い印象を受けますが実はそうではありません。

現在では国際的な決済サービスとして利用されているペイパル(PayPal)がありますが、一説ではペイパルがインターネット決済サービスを導入した1998年がフィンテックの始まりだと言われています。

2000年代から成長を始めたアメリカのフィンテック市場は、インターネットを利用した国際送金サービスであるリップルラボ(ripple Labs)、スマートフォンの決済サービスであるスクエア(Square)などフィンテック関連企業が続々と誕生し、2014年時点で10,000万ドル近い投資額を達成しています。

その後も成長を続け2015年に投資額も最高に達し、一般的な決済などの事業からスキマ産業的なものまで非常に多くのサービスが誕生しています。

ただし、2016年にはアメリカ国内におけるフィンテックの投資額が減少するなど、市場成長の伸び悩みが見られます。また、アジア圏では中国のフィンテック業界が凄まじい勢いで成長を続けており、その規模はフィンテック発祥の地であるアメリカに迫るほどです。

この凄まじい成長スピードはフィンテックの可能性にいち早く目をつけ、国が率先して動いたからこそ出来たものだと言えるでしょう。

下記は「PRESIDENT Online」内に掲載されていた、2015年までの世界のフィンテックの投資額の推移を示したグラフとなります。

フィンテックの主要サービス、日本での普及は?

国内のサービスではiモードやおサイフケータイなどフィンテックの先駆けのようなものがあったのですが、企業側がフィンテックのようなビジョンを描けなかった事なども含め、携帯電話の付加サービスとしての域を出る事ができませんでした。

世界水準と比較すると日本は後追いとなりましたが、徐々に法整備なども進められ企業の進出スピードは上がりつつあります。

フィンテックのサービスはアメリカ・中国など国外を中心に増加の一途を辿って来ましたので、2017年時点では様々な種類が存在しています。

フィンテックのサービスの分類方法にはいくつかありますが、「個人や消費者向けのフィンテックサービス」と「企業や事業者向けのフィンテックサービス」の2つに分けて紹介します。

フィンテックのサービスにどのようなものがあるか詳しく知りたい方は下記の情報を参考にして下さい。

個人や消費者向けのフィンテックサービス

法整備なども特に必要なかった事から普及は早く、現在国内には個人、そして消費者向けのフィンテックサービスは数多く存在します。

以下に代表的なサービスをいくつか挙げてみましょう。

財産管理のサービス

会計や経理ほど規模が大きくなく、一般的な個人が利用できるものとして家計簿アプリが挙げられます。

「Zaim」や「マネーフォワード」など、クレジットカードや口座情報までオンラインで結びつける事ができる家計簿アプリは、これまでの財産管理方法より圧倒的に利便性が高いことから一気に普及しました。

情報漏えいの危険性も指摘されていましたが、特に問題等も無く運用されています。

送金や決済に関わるサービス

数あるフィンテック関連のサービスの中で、最も身近なものが送金や決済に関するサービスだと言えるでしょう。

若者を中心に圧倒的なスピードで広まった通信サービスLINEが展開する「LINE pay」、楽天の「楽天 Pay」既に紹介した「PayPal」もこのサービスに含まれます。

特にLINE Payは日常的な連絡手段として使用されるLINEが母体である事から、爆発的に利用者が増加しています。

スマートフォンアプリやインターネットをクレジットカードや個人の銀行口座と直接結びつけ、クレジットカードやコンビニなどからチャージし、個人間や商品購入の際の決済にインターネット上で支払いを行えるこのサービスは、誰しも一度は利用した事があるのではないでしょうか。

 

投資や資産運用サービス

投資や資産運用はある程度の知識や技術を必要とするものでしたが、まだ数こそ多くありませんがフィンテックにより市場情報を自動的に分析して投資を行ってくれるTHEOやWEALTH NAVIと言ったサービスが登場しました。

これらのサービスはロボアドバイザーとも呼ばれており、簡単に言えば自動で分散投資を行ってくれるシステムという事になりますが、国内では運営企業には専門的なライセンスなども求められる事があり普及が遅れているのが現状で今後の利用者拡大が期待されています。

反面、アメリカを中心に世界的には増加傾向にあると言えるでしょう。

仮想通貨関連サービス

近年「ビットコイン」が盛り上がりを見せた事で、仮想通貨関連のサービスについては既にご存じの方も多いかもしれません。

仮想通貨という言葉が先行して一般に浸透したため、これらがフィンテックの一種であるという事が意外と知られていないのも事実です。

「bitbank」や「bitFlyer」など専門の取引所を利用し、仮想通貨自体の売買や購入を行う事ができます。

その他、仮想通貨自体で物品購入を行う事ができるサービスも登場してきており、これからの展開に期待がかかる分野です。

資金調達関連サービス

個人でも資金調達が出来る事で爆発的に利用者が増加したクラウドファンディングなども、フィンテックの1つとして数えられています。クラウドファンディングにもいくつか種類がありますが、この中の「投資型」や「融資型」がフィンテックに分類されます。

国内の「投資型」「融資型」クラウドファンディングは増加傾向にあり、最近では直接融資を行う企業も登場してきています。

これらの事から、今後クラウドファンディングだけでなくフィンテックを利用した独自の融資サービスをする会社が増えてくると予想されます。

企業や事業者向けのフィンテックサービス

企業や事業者向けのフィンテックサービスには、上記で紹介した【財産管理】として会計や経理向けのフィンテック関連サービスは「MF クラウド会計」や「freee」などがありますが、最近では会計ソフトとして昔から普及している弥生会計も参入するなどより盛り上がりを見せています。

個人事業主の確定申告の負担を減らしてくれるのはもちろんですが、その機能性から積極的に導入する中小企業も増えています。

その他、特に企業や事業者向けのフィンテックとして注目されるのが事業融資などのサービスです。

事業融資

国内では少数ではあるものの、事業融資系のサービスは徐々に増えてきています。現在出ているものでは「融資を受けたい人」と「融資をしたい人」を結びつけるソーシャルレンディングと呼ばれるものもフィンテックのサービスです。

フィンテック革命の影響

人々の暮らしをより豊かで便利にするフィンテックサービスは、国内でも続々と誕生してきています。

インターネット上に登録された情報だけで即座に融資の可否を診断するシステムをはじめ、特にフィンテックが事業融資にもたらした影響は大きいものでした。

国内ではまだ際立った動きはありませんが、アメリカでは既に預金や決済・融資と言ったこれまで銀行が担当してきた業務を行う企業も登場してきています。

この事からフィンテックが銀行の代わりとなる日が来るのではとの議論も一部で持ち上がりましたが、インターネット上での預金という点で不安が残るフィンテックはまだ銀行のシェアを奪いきれずにいます。

金利が低いとは言え預金というシステムが無くなる事は当分無いでしょうが、銀行は営業時間・営業日などが限られており、少なからず不便な面があるのは間違いありません。

今後、フィンテックという技術革命が本格的な広がりを見せれば近い将来実店舗で営業する銀行が無くなってしまう可能性があるのかもしれません。

フィンテックの関連企業一覧

ここからは国内・国外別にフィンテックに関連する企業をご紹介したいと思います。関連する企業と言っても数が多いですので、ここでは直接フィンテックに関わる業務を行っている代表的な企業を中心にご紹介したいと思います。

 

国内のフィンテック関連企業

三菱東京UFJ
2017年、自社独自の仮想通貨である「MUFGコイン」を一般向けに公開。スマートフォンでの送金や割り勘などを目的に、主に若者をターゲットとしています。他の仮想通貨に対してどのような優位性を打ち出せるか注目を集めています。
三井住友銀行
2017年4月、指紋や音声を使ってより手軽にインターネット決済を行う事ができるサービス・それに関わる会社を設立すると発表。これは2017年4月1日にフィンテック関連企業を銀行が設立できるよう法改正されたのがきっかけです。なお三井住友銀行は2015年にアメリカのフィンテック企業「Plug and Play」とパートナーシップを結びフィンテック関連業務の準備を進めてきました。
日本クラウド證券
クラウドファンディングの資金調達方法の一つ「融資型」を運営する企業。比較的手軽に個人が小口投資家になれるとして注目を集めています。
野村総合研究所
日本最大級の民間シンクタンクである野村総合研究所が行っているのは、自社で作ったフィンテックサービスの提供など。同じくフィンテック企業であり、「おつりで投資」という変わったサービスで注目を集めるTORANOTEC株式会社などにシステムやサービスを提供しています。
NTTデータ
金融機関がフィンテックを開発できる「Open Canvas」、企業向けAPIサービスの提供・サポートなどを行っています。
株式会社スマートドライブ
株式会社スマートドライブではビッグデータを利用した運転情報サービス、車両専用機器の開発などを手掛けています。同じくフィンテック企業の一つであるクラウドファンディング「Makuake」で車両のデータ計測デバイスを販売した事も話題となりました。
マネーパートナーズグループ
FXの取引システム・サポートの運用を主に行っているマネーパートナーズを傘下に持つ企業。仮想通貨の取引所である「Zaif」を所有するテックビューロ株式会社と連携し、「Zaif」内に保有する仮想通貨をマネーパートナーズのプリペイド「マネパカード」で利用できるようにしています。
株式会社One Tap BUY
わずか3回のタップで株を購入する事ができるアプリ「One Tap BUY」を主力サービスとしています。また、One Tap BUYはフィンテックのスタートアップ企業として設立されたという側面もあります。
maneoマーケット株式会社
maneoマーケット株式会社が運営する「maneo」はインターネット上で「お金を借りたい人」と「貸したい人」とを結びつける新しいサービス、ソーシャルレンディング企業の一つ。国内では運営が早かった事もあり、ソーシャルレンディング企業の最大手として人気を集めています。
株式会社クレジットエンジン
こちらも同じくインターネット上で融資を受ける事ができるソーシャルレンディングサービス「LENDY」を主に取り扱っている企業。スマートフォンを含め、手軽で簡単な資金調達手段として注目されています。
リクルート株式会社
2017年8月より株式会社リクルートが運営する「じゃらんネット」が宿泊事業を行っている中小企業に向けて融資サービスをスタートさせました。最初は「じゃらんネット」に登録している企業が対象となっています。
楽天グループ
楽天グループのフィンテック事業としては、クレジットサービス「楽天カード」やネット上で取引する「楽天銀行」、「楽天証券などが」挙げられます。他にも「楽天市場」などの主要サービスを展開する楽天グループですが、売り上げが増加傾向にある事から今後はますますフィンテック事業に力を入れてくるのではないでしょうか。
電通グループ
フィンテック事業を手掛ける「フィンテックVB」や「Tranzax」など、主にフィンテック関連のベンチャー企業と資本提携を結んでいます。また、フィンテックの集積拠点として作られた「FINOLAB」を他企業と協業しています。間接的にフィンテックに関わる事が多くなっていますが、今後の動向から目が離せません。

 

国外のフィンテック関連企業

LendingClub
アメリカでは最大手のソーシャルレンディング企業LendingClub。2006年に設立され「個人向けの消費者ローン」を中心に取り扱い、たった10数年の間に「大手銀行に取って代わる存在」とまで呼ばれました。しかし、近年では創業者が辞任した事により業績が落ち込んでいます。
SOFi
こちらもアメリカのフィンテック企業であり、2011年当時スタンフォード大学院の同級生だった4人で創設が行われています。学生ローンの乗り換えや住宅ローンの借り換えを中心に、インターネットでの資金調達サービスを提供しています。日本の企業であるソフトバンクが出資している事でも有名です。
kabbage
主にインターネットショップに向けて融資を行っており、申し込みから融資決定まで最短6分というスピード審査が注目されています。一般的な融資と異なり、ショップの売り上げやトラフィックなどが審査基準に設定されています。こちらも同じくソフトバンクが出資を行っています。
WeSwap
上記3つはアメリカでしたが、こちらはイギリス発のフィンテック企業です。通過両替を主なサービスとしており、自身の通貨を入金しておけば他の通貨所持者と交換する事が可能です。ポンドやドルはもちろん、ユーロや円など幅広い通貨に対応しています。
Alipay
Alipayは中国のフィンテック関連会社であり、企業グループにはオンラインマーケットで名を知られるアリババなどが含まれています。主にモバイル決済などを主サービスとしており、その決済額はアメリカ発のPaypalを大きく引き離す額です。実は中国のフィンテック市場は日本と比べてもかなりの盛り上がりを見せていますが、Alipayはそのブームの筆頭格と言えるでしょう。

 

フィンテック事業融資のメリット

審査から融資までスピーディ

従来の金融機関の事業融資と言えば審査から融資まで1週間、早くて1カ月程度の時間を要するのが一般的でした。

現在は審査から融資まで3日程度とするカードローン系の事業融資も多く登場していますが、これらは金額が低いものが中心となっており金融機関の事業融資と比べるのは適当ではありません。

対して、フィンテックの事業融資は例え高額融資でも審査から融資まで1日程度で済むものも多くあります。

フィンテックの審査はすべて経営状態・財務状態などオンライン上のデータを元に行われ、申込者に対して適切な金額の融資をスピーディに行う事が出来るのです。

事業融資の種類が豊富

フィンテック誕生の地であるアメリカでは事業融資系のフィンテックにも様々な種類があります。

中小企業を対象としたものを中心に、学生向け・個人事業主向け・インターネットショッピングサイトの運営企業向けなど、対象を明確にした事業融資系のフィンテックが存在します。

国内ではまだ多くありませんが、今後進出企業の増加と共に融資対象を絞り込んだフィンテックが誕生する可能性があります。融資対象であれば審査に通過する確率が更に高まるのは間違いないでしょう。

フィンテック事業融資のデメリット

国内ではまだ数が少ない事業融資系フィンテック

クラウドファンディング市場の盛り上がりを受け、貸付型クラウドファンディングであるソーシャルレンディングは国内でも増加傾向にあります。

しかし、消費者向けサービスの増加速度に比べ直接的な事業融資系フィンテックは多くありません。

現状フィンテックで事業融資を利用する際は、実績のある運営会社を選ぶのが良いでしょう。

国内におけるフィンテックの今後

近年大きな動きを見せ始めた国内のフィンテック市場ですが、やはり海外に比べると日本はかなり遅れていると言っても過言ではないでしょう。

海外と比べても日本の金融システムは非常に安定しており、オンライン上で資金のやり取りを行うことに抵抗感を示す方も少なくはありません。法改正も無事行われ投資額も順調に伸びている事からこれからの成長に期待がかかっていますが、今後更に発展するかどうかはまだ未知数だと言えます。

個人や消費者からすればあまり関わりがないとも言えますが、事業などで直接フィンテックに関わるような方は今後の展開に注意が必要だと言えます。

フィンテックの国内市場に関する情報などは、定期的に金融庁や研究所が公開していますので、積極的にチェックするのが良いでしょう。

フィンテック革命まとめ

国内ではまだまだ始まったばかりの感があるフィンテックですが、海外では大きな盛り上がりを見せており日本がいかに遅れているかを痛感させられます。

フィンテックは新しいサービスであるものの、従来の常識を覆す革新的なシステムであり決済サービスやクラウドファンディング、アプリなどは一般にも徐々に浸透してきている印象を受けます。

しかし、特に資金調達分野での国内フィンテックサービスに関してはまだ試験的に導入されているようなものも多く、今後普及していくかどうかは正直分かりません。

新しいサービスだからこそ早めに情報を集めておけば、今後フィンテックに関わる事があっても安心です。今回の記事を参考に、是非新しいサービスの一つであるフィンテックの知識を深めておくのが良いのではないでしょうか。