事業者ローンの返済計画で、考慮すべき5つの注意点とは?

 

事業者ローンの借入をするに際しては、返済計画を策定しておく必要性があります。

といっても、返済計画の体をなしていれば、それでよいというものではなく、実現できるような返済計画であることを要します。それでは、返済計画とはどのようにしていけばよいのでしょうか。

事業者ローンの返済方法にはどのようなものがあるのか

事業者ローンの返済に用いられる方法は、各業者によって実に様々です。

そして、返済方法の選択が可能な業者も存在しています。各返済方法については、長所と短所が存在しており、その返済方法の選択を誤れば、返済する際に資金繰りが悪化してしまうこともあり得ます。事業者ローンの選択する際のポイントとして、返済方法について確認しておきましょう。

返済方法のうち、代表的なものとしては、残高スライドリボルビング方式が挙げられます。

カードローンで顕著な、別名リボ払いと呼ばれているものです。

この返済方法では、月ごとに定められた金額を返済していくというものであり、借入金額に応じて利息及び元金の割合が異なってきます。

長所は、月ごとの金額の把握が容易であるために、返済計画も施策しやすいでしょう。しかし、デメリットとしては、支払うことに慣れてしまうために、返済計画の実効性が薄れてしまうことでしょう。

【元利均等返済方式】

月ごとの返済金額が一定であり、残高スライドリボルビング方式と同じく、返済計画を施策しやすいのですが、異なる点としては、この方式の場合は、元金及び利息の割合に至っても返済終了まで不変であることです。

なお、事業者ローンでは、元利均等返済を選択できませんので、このような方法があるということだけ覚えておきましょう

【元本一括返済方式】

返済している間は、利息のみを払い続け、元本に相当する金額については、満期となる日に一括返済するという方式です。

この方式は事業者ローン特有の返済方式です。

他の返済方式であれば、借入の翌月から返済に応じなければならず、借入できたとしてもその金額を返済に充てなければならないために、これを見越して借入額を決定しておかなければなりません。

しかし、元本一括返済方式であれば、満期日に一括返済していけばよいので、翌月の返済分に関して考慮することなく、事業資金に充当可能です。

繰り上げ返済を積極的に行っていく

どのような返済方式を選択したにしても、つまりは、それらの返済方式は事業者ローン会社のために存在しているようなものですから、借入した側としては、なるべく迅速に元金を減らしていき、これとともに利息を減らしていくべきです。

利息とは、事業者ローン会社のための利益なのですが、借入した側としては、無駄な経費であるために、なるべく支払額を少なめにしておくことが望ましいです。

事業者ローンでは、元金を随時返済する繰り上げ返済は可能であるために、資金に余裕が出てきた段階で返済していくとよいでしょう。

事業者ローンは、短期間で資金の調達が可能といった趣旨を没却してしまい、手元に金員を蓄えたまま返済に応じない人もいるのですが、利息のことを考えれば、都度返済していくほうがよいことは明らかです。
 

もし、資金が必要になった際には、再度借入すればいいだけのことです。

金利と返済総額とを考慮する

事業者ローンは、一部の銀行系が変動金利を採用しているものを除けば、原則として固定金利が採用されています。

事業者ローンの欠点としては、ほかの融資方法と比べて、利息が高いことが挙げられます。しかし、短期間で返済できるというのであれば、事業者ローンであったとしても、特に1ヶ月間で返済の目処が立っていれば、利息の負担はそれほどないために、利息の高さは問題とはならないといえます。

むしろそれよりは、返済総額に関して十分な把握をしておいたり、返済時に返済できるようにするために日頃からの対応を怠ることなく、余裕ある返済計画を策定しておくべきです。

目下の借入金は、直近のものに留めておき、返済が期待できないようであれば、当初から借入すべきではないというべきかもしれません。

事業用のカードローンを入手したのはいいのですが、これを何にでも、充当していくというのは、上策とはいえません。事業者ローンを巧みに利用できるか、それとも利用されてしまうかは、借入する人の能力などに起因してくるといえるでしょう。

事業者ローンのデメリットとして、利息が低いとはいえないために、返済計画を余念なく行って返済していかなければ、どんどん負担が増加していくことでしょう。

不確定要素に依存しない

個人事業主にしても、法人であるにしても、事業者ローンを返済していくには、事業に供する資金を充当していくことが原則でしょう。

個人がするような借入では、給与との兼ね合いで返済計画を立てる人が大多数でしょうが、事業者の場合であれば、勝手は異なってきます。

零細企業や中小企業の場合には、入金が安定しない傾向が高いのですが、そのような場合であっても、確実と評価できる入金は、必ず存在しています。

事業者ローンの返済に際しては、確実といえる入金予定から実行していくべきであって、もしそうでない入金予定があっても、それは返済計画に盛り込むべきではないでしょう。

確実でない入金とは、この日に入金があるかも、この日に販売できるかも、というような感じであって、もし、これらを返済計画に盛り込むと、返済に際して困惑してしまいがちです。もし期待を裏切られたら、返済が成り立たないことになってしまいかねず、返済計画がままならないことになるでしょう。

事業者ローンで借りすぎない

事業者ローンの便利な点としては、借入限度額のうちであれば、何円でも借入できるという特性があります。銀行からの融資とは違い、当初から全額を借入する必要性はなく、必要最小限の金員のみを借入可能なのです。

借入金額が大金でなければ、利息も減少傾向にあるために、返済も容易になることでしょう。そして、借入限度額まで借入額が達していなければ、資金が必要になった場合に、申し込みや審査などせずとも、追加借入が可能となります。

いわゆるご利用は計画的にとの謳い文句は、個人を対象とした借入のみならず、事業用途に用いる事業者ローンにも該当します。

そのために、事業者ローンも、計画的にほどほどに用いることで、反対に使われるようなことなく、役立てるということです。

返済に際して判然としなければ相談してみる

借入前でも、既に借入している状況であっても、返済に関して知らないことがあれば、都度、借入先に連絡の上、相談してみましょう。この相談は、何ら恥じるようなものではなく、相談することなく返済不能に陥ってしまう方がよほど恥ずかしい事といえるでしょう。

事業者ローンを用いるためには、確実といえる入金を返済計画に盛り込み、確実でない返済計画を策定しないことが重要です。事業をしていれば、何らかの原因により、予期できない資金不足に陥る蓋然性が高いです。

具体的には、設備の修理費や時期に応じた損益などというマイナス面もそうですが、事業展開をしていく上での資金が、急遽必要になる場合もあり得ます。そうした際に役立つのが事業者ローンです。

最短即日で、借入可能な事業者ローンは、急遽金策に困り果てた際に、わずかな時間で借入できるために、相当有用な資金調達の手段でしょう。

申し込み時に注意を要する書類とは

事業者ローンのメリットとしては、契約者は法人なのですが、その法人の代表者を連帯保証人にすることによって、担保やそのほかの保証人なしで借入可能となることが挙げられます。

事業融資といっても、事業者ローンならば特に担保は要せず、本人確認書類や決算書、収入証明書などの事業所得を疎明できる資料さえあれば、借入できるのです。

事業者ローンで注意すべき事項としては、貸付条件に事業歴の項目があり、二期分の確定申告書を要する場合もあることです。

無論のこと、事業開始間もなくというだけでなく、決算が赤字であれば、審査に通ることは難しいといえるでしょう。

それに、事業歴は事業者ローンにおいて、原則として必要であるために、事業の開始に事業者ローンを用いることは不可能です。

その他の注意点・メリット、デメリット

そのほかには、事業者ローンの申し込みに際して、注意すべき事項はあるのでしょうか。

事業者ローンの最大の利点は、借入するまでが短時間であることですが、それだけ利息が高額な傾向があります。

審査時間を短縮して借入するとなると、業者側からしても危険性があるのです。

この危険性とは、借入した事業者の事業が思わしくなくなっていき、最悪倒産などし、全額返済が不可能になってしまう、いわば貸し倒れの危険性です。

元金と、これに応じた利息を返済額に加えて利益を出すという性質の事業者ローンであるために、万一返済不能となった場合の危険性を考慮して審査及び借入を実施しているというわけです。

他方、事業者ローンと比べれば、公的融資や銀行融資で行われる審査の基準は厳しくなります。当該融資の場合には、申込時に事業内容を把握し得る事業計画書を始めとする書類を揃えなければならず、審査の時間に至っても、時として数ヶ月を要することもあるようです。

そのために、融資される段階までに相当期間が経過することとなります。しかし、低金利で借入できるために、この点は魅力あるといえるでしょう。

低金利で借入したいという人は多いのですが、事業資金を調達するためには、迅速性も考慮されるために、なかなかそうもいっていられないのです。

借入できるまでに相当時間が経過したのであれば、最悪事業に悪影響を及ぼしかねず、事業の展開に乗り遅れたり、大きな損失を被ってしまう蓋然性が高いです。

返済が厳しくなる場合とは

事業者ローンの特性として、借入に至るまでが迅速であることから、それだけ高金利になっています。前提として、自己資産が豊富にあれば、社外の金融関係の業者から借入する必要性はないはずです。

ただ、自己資本が多くない中小企業や個人事業主の場合には、借入することによって、事業の運転資金や設備投資などに要する費用を捻出していく必要があります。

そのような次第で、事業者ローンで借入し、返済計画を巧みに立てることが要求されるわけです。借入すれば、借入期間に応じて利息負担も増加していきますから、高金利な事業者ローンは長期間の借入には不向きです。

借入後に事業が急激に悪化する場合も考えられなくはなく、そのために返済に充当する資金の確保が困難に至ることも大いにあり得ます。

そして、返済できないからといって、延滞させたり、滞納したりすれば、さらに利息が増加の一途を辿り、返済不能に陥ってしまう蓋然性もあるために、事業者ローンでは借り過ぎないようにしましょう。

事業者ローンは、短期間での借入や迅速性が最大のメリットですから、借入が短期間に留まる場合や、急遽資金を確保しなければならない場合に用いるようにしましょう。

事業者ローンは主たる資金調達にはしないことが賢明

事業者ローンは、カードローンなどは、借入残高によって、月ごとの返済額が決定されていくシステムの残高スライドリボルビング方式、それに月ごとの返済金額があらかじめ決められて不動となっている元利均等返済方式などというように、様々なものが存在しています。

あらかじめ返済額が決定しているのであれば、返済計画は策定しやすいのですが、この返済額に馬鹿正直に返済していくだけでは、とても返済の目処は立っていきません。

なぜなら、借入期間が長期化する可能性が高いからです。

そのために、随時、資金に余裕がある際に、提携しているATMから返済していくことを念頭において、事業者ローンを用いるべきでしょう。

そして、利息負担の大きい事業者ローンであるために、あくまでも短期間のつなぎとして用いていくのが賢明でしょう。

銀行や公的金融機関から借入できたのであれば、低金利になるために、事業者ローンで借り入れする必要性は薄れるのですが、銀行や公的金融機関は融資の迅速性に欠けるために、迅速な融資が可能な事業者ローンは相当便利がよいといえます。

最後に

事業展開していく上で、資金調達はとめどなく行わざるを得ません。

公的な融資や銀行融資か、事業者ローンのいずれを選択すればよいのか、などというものではなく、適切な資金調達をしていきながら、事業を安定化させていくことが望ましいのです。

そのために、迅速性を要する場合には、事業者ローン、設備投資などで高額な資金難に陥っている場合には低金利の融資機関から融資を受けるようにし、巧みに使い分けていくべきです。