あなたが注意すべき、事業者カードローンのデメリットを徹底解説

審査が迅速で最短即日融資も可能、それでいてATMを用いての借入や返済も便利な事業者ローンですが、

高金利であること以外に、どのようなデメリットがあるのでしょうか。

事業者ローンの利用を検討している人は多いでしょうが、事業者ローンのデメリット面についても触れておく必要があります

【高金利であること】

事業者ローンのデメリットとして挙げられるものとして、まず金利の高さが該当するでしょう。

しかし、高金利である分、貸し倒れの危険性に融通を持たせることができるために、審査が通過しやすく保証人や担保を要しないで済むのです。

事業者ローンが誕生した発端は、プロパー融資での低金利設定に照らせば、中小企業などの業績不調の企業に対して融資不可となるために、

これを回避するために、金利を上昇させてでも融資先を増加させようという銀行の考え方によるものなのです。

事業者ローンが高金利であることは確かにデメリットなのですが、その代わりに、ほかのメリットと密接な関連性を有しているのです。

事業者ローンの有用な活用方法は、金利が高さゆえに、短期間の資金繰りとして用いることを念頭におかれているともいえるのです。 事業者ローンは、公的機関からの融資や、プロパー融資と比較すれば、明らかに高金利です。

この金利の高さは事業者ローンの最も特筆すべきデメリットです。下限金利は低いのですが、現実として、利用者に応じた信用情報や決算書などの事業関係書類により左右される場合もあるものの、上限金利が適用される場合が圧倒的に多いです。

融資が初回であれば、上限金利が適用されることがほとんどでしょう。 事業者ローンの金利は年率にして10ないし15パーセント程度とされていますが、プロパー融資や公的機関による融資と比較すれば、圧倒的に高金利であることは明らかです。

高金利であれば、返済利息も高額になるために、資金繰りや経営損益に影響を及ぼしかねず、長期間の借入には明らかに不向きです。

そのために、事業者ローンは、急場を凌げない状況や、あるいはプロパー融資や公的機関の融資の審査までの間のつなぎ資金として活用すべき性質なのです。

その反面、高額な費用を要する設備投資などに対しては、事業者ローンは適していません。

資金調達を要する期間までに2,3ヶ月はあり、プロパー融資に通過する自信がある企業であれば、事業者ローンを用いるメリットはあまりないように見えるでしょう。

しかし、その場合であっても、必ずプロパー融資に通過できる確証があるわけではないですから、もしもの場合に備えて事業者ローンをつなぎ資金として用いることを検討してみることをオススメします。

【借入限度額が少ない】

各事業者ローンで設定されている融資の上限額についてですが、必ずしもその金額で借入できるとは限りません。しかも、融資の上限額はプロパー融資と比較すれば、圧倒的に少額である上、この上限額を借入できるわけでありません。 実際の借入額は、企業の規模や信用度などに照らした上での審査結果に応じて、変化してきます。

その内実は、返済能力や事業規模、運転資金として必要な金額などを総合的に見て判断されます。

具体的には、年商を上回る金額が融資されることはないです。そのために申し込み時点で希望していた金額よりも減額される傾向にあるといえます。

必要最低限の金額にすら満たない場合もあり得ます。 銀行融資であれば、信用保証協会の保証を得た上での貸付の場合、何千万円という高額な融資を受けられます。さらにプロパー融資であれば、青天井となっています。上場企業に対しては、何億という融資額が可決されることも多々あるようです。

これに対して、事業者ローンの場合は、せいぜい上限額は300万ないし1000万円(個人事業主であれば300万円が上限)ほどです。しかも、これでも上限額であることから、実際の借入金額はこれを下回ってしまうことが通常です。


審査に応じて、限度額が決定するために、審査次第では、何十万円しか借入できなかったという事態になる場合も珍しくはないようです。

【決算書が審査で重視される】

事業者ローンでは、決算書に記載された数値が審査で重要視されるのが通常です。プロパー融資ならば、審査に差し当たって、事業の発展性などを考慮してくれるのですが、

事業者ローンであれば、決算書に記載された数値によって機械的に審査結果が左右されることとなります。

そのために、決算書に記載された数値や、過去の実績が前提となる審査ですから、審査のハードル自体は苦にはなりませんが、決算書の数値が悪い場合、

いくら将来性などといった未知数の要素において傑出していたとしても、審査に通過しない蓋然性が高まります。 この機械的な審査のことをスコアリングシステムと称します。

スコアリングシステムは事業者ローンのなかでもローンカードタイプのものに採用されています。

スコアリングシステムの内実を示せば、売上額、粗利益、営業利益や経常利益、それに資本金などといった項目を、過去借入の申し込みのあった別の多くの企業の情報と照らし合わせ、状況の近いものとで貸し倒れ率をはじき出し、この貸し倒れ率のもと、審査結果を出すという仕組みです。この貸し倒れ率を根拠に金利を適用します。


無論のこと、機械が全てを賄うのではなく、審査担当となる上長により最終判断がなされます。 他方、プロパー融資では、決算書の情報に完全に依拠するのではなく、企業の経営方針や姿勢、他社との優位性や、経営者本人の能力をも総合考慮して、審査に供するために、

審査方法は通り一辺倒のものではないといえます。


したがって、事業者ローンのデメリットは、決算書に基づく数値により審査の可否が決定することにあります。 しかし、機械的な審査がなされるからこそ、審査が非常に迅速であるといえます。デメリットではあるものの、それはメリットと表裏一体なものではないのでしょうか。

【無計画な借入に陥りやすい】

事業者ローンのうち、ローンカードタイプのものであれば、随時借入や返済が可能となります。そのために、利便性に富んでいるのですが、目的に応じて資金調達するという観念の資金繰り方法とは異なり、資金が不足すれば、都度借入すればよいという意識に陥り、安易に借入に依存するようになってきます。


そのために、利用者によっては、便利な点が却ってデメリットになり得る場合もあるということです。
ただ、このようなデメリットは、単に利用者の考え方を改めれば済む問題です。

【銀行系の事業者ローンのデメリット】


事業者ローンのデメリットとして、定型貸出という観点に問題があるようです。

プロパー融資や通常の銀行融資であれば、担当者を介して融資を試みるのですが、

ある金利で返済期間がこの程度であると申し込みをし、断られた場合、

さらにそれよりも条件を下げて、金利を若干高くし、返済期間を減らして銀行側が提案してくることもあるのです。

落としどころを探るために、借入条件を調整して交渉していく」ということです。こうした調整による貸付のことを、非定型貸出と称します。

しかし、銀行系の事業者ローンの場合は、定形貸出という方式を採用しています。融資にそぐう条件が大前提として存在しているために、

その条件に至らなかった場合には、審査が調整や交渉の余地なく、終了してしまい、審査に通過しなくなります。こうしたことから、定形貸出を採用しているのは、事業者ローンのデメリットといえるでしょう。 非定型貸出を採用しているのは、銀行以外には住宅ローンや自動車ローンが該当します。

銀行系の事業者ローンはこの点につき、徐々に解消していってはいるのですが、消費者金融系の事業者ローンと比較すればまだまだといったところでしょう。

銀行系であっても、迅速な対応をしているところもあるのですが、この場合は、自社の傘下にある消費者金融のノウハウを採り入れているからにほかなりません。

即日融資を謳っている銀行もあるのですが、審査の迅速性に関しては、消費者金融系に軍配が上がるからです。 他方、消費者金融系であれば、30分ないし1時間といったように、一般のカードローン同様の審査時間で済む業者も多いです。

そのために、急遽資金が必要になった場合には、銀行系でなく消費者金融で事業者ローンを利用すべきなのでしょうね。

さらに、契約に際して高額な印紙代が必要となる事業者ローンも存在します。そして、審査で必要になる書類が多いこともあり得ることや、場合によっては担保を供さなければならないことも、事業者ローンのデメリットでしょう。

なかには、返済期間が1ヶ月ないし3ヶ月程度に限局する業者もあるようです。それでいて、2年以上の業歴を要し、現時点のみならず過去に遡った税務申告書の提出が義務付けられていたりというように、プロパー融資並の貸付条件を規定している業者も存在するようです。

しかし、上記でも述べたとおり、現在では消費者金融が審査を行っている銀行系の事業者ローンは増加しているために、審査が迅速になったばかりか、銀行系であっても、対応が柔軟になってきたといえます。

【消費者金融系のデメリット】

消費者金融系の事業者ローンでは、個人事業主しか貸付けていない業者も存在するようです。その反面、銀行では中小企業のみを対象とし、

個人事業主を貸付条件から除外しているところも存在します。このようなデメリットを踏まえた上で申し込みをすることが重要です。 そして、消費者金融系は、上限金利のみならず、下限金利が一般のカードローン相当の業者もあるようです。

無担保型の事業者ローンは、高金利かつ短い返済期間を適用する業者も多い傾向にあります。売掛債権であっても、高金利ではあるものの、返済期間が長期間であるために、無担保の事業者ローンよりは優位な条件で借入可能といえるでしょう。

【ヤミ金や違法業者の存在】

一般的なカードローンの場合には、大手であることが多いために、名称を見れば一目瞭然なのですが、事業者ローンの場合であれば、

大手以外にも、小規模なノンバンクが参入していることも多々あります。マイナーな業者のなかでも、優良なノンバンクが多数を占めているのですが、ヤミ金業者も存在しているために、注意が必要です。 ヤミ金であるか否かの判断に差し当たっては、当該業者の登録番号が、財務局や日本貸金業協会のサイトにあるのか確認しておきましょう。

大手と関連するものとして錯覚しやすい名称を付けていることもあるために、申し込む前に確認しておくべきです。もし非該当であれば、正規の貸金業者ではありません。

事業者ローンの案内を記載したFAXもよく見られるのですが、そのうち、見たことも聞いたこともない名称の業者が、プロパー融資相当の金利の低さや、高額融資条件を謳っていれば、それは明らかにヤミ金や違法業者の可能性が高いです。 当該業者らは、融資の前段階で、保証金や手数料の名目のもと、高額な金員を振り込むように要求してきます。

もちろん、振り込まないようにしましょう。振り込んだら、もう既に後の祭りであって、音信不通になるのは目に見えています。

または、そのようなことをしない場合であっても、貸し付けた後で高額な諸費用を請求してくることも多いようです。 資金調達に苦慮していればいるほど、正常な判断ができなくなるもので、当該業者らは、それに付け込んでくるのです。したがって、当該業者らとは、一切関わってはいけません。

【最後に】

事業者ローンは、高金利であり、借入額が少額である点が、最大のデメリットでしょう。

しかし、高金利かつ借入限度額が少額である分、融資が迅速であり、担保や保証人も要せず、審査も厳しくないのです。

利用者が、あくまで短期間の資金調達に留めておくことを念頭において用いるべきものなのです。

また、利便性に優れた事業者ローンではあるのですが、利便性の裏には、借入に依存しやすいデメリットもはらんでいますが、これは利用者自体が留意すれば済む問題です。

事業者ローンは、まず公的機関からの融資をし、それでも駄目であれば、銀行融資に申し込んで否決された場合や、急遽金員が必要になった場合などには、相当有用なのです。

個人事業主の場合、事業資金に生活費を充当したために、生活が困窮に至れば、生活のために資金を確保しておきたいところですが、

一般向けのカードローンであっても、事業者の生活のための借入であれば認めていますから、一般のカードローンを用いることも手段の一つとして覚えておきましょう

事業者ローンを用いることにより、急迫たる事態を回避し、その間、銀行や公的期間を用いた他の様々な融資方法を用いるようにすることが、

長期間の資金調達の観点からオススメできます。事業者ローンで借入できたからといっても、これに慢心せず、複数の資金調達方法と同時並行して用いることが賢明といえます