ビジネスコンテストとは?起業を目指すイノベーターの起業資金調達方法
社会の多様化が進むに従ってマーケットのニーズを後追いするビジネスモデルから、新たなマーケットを創出するオリジナルのビジネスプランを持つイノベーターへの期待が高まっています。
起業を志す人にとって時代の流れは追い風となっていますが、具体的に起業する際の起業資金の調達は簡単ではありません。
しかし起業志向の高まりを反映するように各地で、さまざまなビジネスコンテストが活発に開催され起業を志すイノベーターを後押ししています。
そのビジネスコンテストについて解説します。
目次
ビジネスコンテストの変貌
ビジネスコンテストはコンペティションからプレゼンテーションの場へ変わってきています。
起業を志ざす人が参加しそれぞれの持つオリジナルのビジネスプランを披露し、各ビジネスプランのさまざまな可能性を競い合うのがビジネスコンテストです。
一口にビジネスコンテストと言っても多種多様で、テーマを設定せずに自由にプランニングしたものを披露するものや、設定したコンセプトの中でプラニングするものなどが存在します。
起業志向の高まりと共に生まれたビジネスコンテスト
国内で最初に開催されたビジネスコンテストは1996年の「学生のためのビジネスコンテストKING」だと言われ、このビジネスコンテストは現在も「Business Contest KING」の名称で開催されています。
2000年代に入ると開催されるビジネスコンテストの数は徐々に増加し、新たなビジネスプランの発掘のフィールドとして根付き始め2010年を過ぎるとビジネスコンテストの開催数が急増します。
人材評価に疑問を抱いた学生たちが「エバリュエーション・スタンダード」を掲げ開催したのが国内初のビジネスコンテストである「学生のためのビジネスコンテストKING」です。
現在も学生や大学などの教育機関が主催するビジネスコンテストは数多く存在しますが、主催者も多様化が進み政府や地方自治体、企業が主催するビジネスコンテストも増加する傾向にあります。
ビジネスコンテストはどのようにして開催され何が得られるのか?
一般的にビジネスコンテストの開催形式は次の2つの形式に大別されます。
- 持ち込み型:主催者が特にテーマを決めず参加者の中に既にあるプランを持ち込むもの
- 合宿型:主催者の提示するテーマに対して参加者や参加者の知人がチームとなりプランを生み出すもの
ビジネスコンテスト創世記には優勝者に数万円から数十万円の賞金や賞品が授与されるものが多かったのですが、新たなビジネスプラン発掘のフィールドとしてビジネスコンテストが利用され始め優勝賞金が高額化しています。
数百万円の起業資金や商品開発や製造を行うための設備などのサポートが提供されるビジネスコンテストは、ビジネスプランを競うコンペティションから商談のプレゼンテーションの場へ変貌しつつあると言えるでしょう。
ビジネスコンテストで勝ち残るプランのポイントとは?
優勝賞金が高額になり起業を志す人にとってビジネスコンテストは、本格的な起業への登竜門としての機能を果たし始めています。
ビジネスコンテストへのエントリーで起業資金や起業に必要な設備などのサポートを受けるためには、ビジネスコンテストで勝ち残れるビジネスプランを練る必要があります。
ビジネスコンテストごとに異なる評価基準を把握する!
評価基準が公共されているビジネスコンテストであれば公表されている評価基準を意識すれば問題ありませんが、公表されていない場合はビジネスコンテストの主催者や協力企業、審査員の傾向から評価基準を探ります。 一般的なビジネスコンテストの評価基準として次に挙げる基準が多い傾向にあります。
- 社会への貢献度の高いもの
- 人道的支援に繋がるもの
- 収益性や具体的な展開が明確であるもの
- イノベーションに繋がるもの
- 斬新なビジネスプランであること
5W1Hの中でもWhatとHowが重要!
ビジネスシーンではWho(だれが)When(いつ)、Where(どこで)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)の5W1Hが重要視されますが、ビジネスコンテストでは特にWhat(なにを)とHow(どのように)にポイントを置く必要があります。
なにをしたいのかから市場規模・想定顧客・競合相手などの状況の分析を行いプランの差別化を図り、ゴールまでのルートマップを次に挙げる条件を踏まえて熟考する必要があります。
- 製品やサービスの開発体制
- 提供や運用手段
- 必要となる人材の層や人材確保の手段
- 原材料などの調達手段
事業運営計画は長期的なものから短期的なものへ
事業計画を練る際に短期的なものを積み上げた結果として長期プランとをたてるのではなく、長期プランから短期プランをクローズアップするのが望ましいと言われています。
具体的には数年度から単年度、各月、各週へとクローズアップすることで、どのステージでなにをするべきなのかが具体的にあぶり出されプランの精度が高まります。
ビジネスコンテストで勝ち残るためには自分のビジネスプランを他のプランと差別化することが必要です。
斬新なプランや分析で差別化を図るのは正攻法だと言えるでしょう。しかしコンテストである以上、審査員の印象に訴えかけるのも効果的なので意図的に桁の大きな数字を盛り込む方法も効果が高いと考えられます。
起業資金を調達できるおすすめのビジネスコンテストとは?
現在国内では非常に数多くのビジネスコンテストが開催されていますが、その中でも優勝賞金が高額で起業資金の資金調達方法になり得るビジネスコンテストを選んで紹介します。
スタートアップワールドカップ
世界大会に優勝すると約1億円の賞金を獲得できるビジネスコンテストです。
第1回大会は名古屋出身のロボットやIoT技術を活用した園児の見守りサービスなどを手掛けるユニファ株式会社が優勝し、最終的に10億円以上の資金調達を行いました。
少年ジャンプアプリ開発コンテスト
漫画やキャラクターに関する新しいアプリ・WEBサービスを競うビジネスコンテストです。
開発からリリースまで見据えた募集で、優勝者がシステム開発に取り掛かることを条件に最大5,000万円までの開発資金が提供されます。
起業チャレンジコンテストプログラム
チーム参加型のビジネスコンテストで事業化の意欲が高い参加者を募っています。500万円までの資金とコンサルティング会社のアドバイサリーサービスが提供されます。
スタートアップビジネスプランコンテストいしかわ
石川県の産業振興を目的とし石川県での起業が参加条件のビジネスコンテストです。
優勝賞金500万円のほかに、県外在住者には100万円以内の移住助成金が支給されるなどさまざまなサポートが提供されます。
40億人のためのビジネスアイデアコンテスト
「開発途上国の社会課題をビジネスで解決する」のキャッチフレーズで開催されるビジネスコンテストで開発途上国の社会課題の解決につながるプランを募集しています。
最優秀賞100万円と事業化調査費として最大200万円が提供されます。
最後に
現在開催されるビジネスコンテストでも賞金数十万円程度のものは少なくなりませんが、起業資金の資金調達方法として十分利用価値のある高額賞金のビジネスコンテストも存在します。
起業を志す業種が応募対象である場合は、ビジネスコンテストにエントリーすることで起業資金を調達することや業界へのコネクションが得られることが期待できますので、積極的にビジネスコンテストの情報収集を行うのも悪くないのではないでしょうか。