資金繰りがうまくいかないなら!原因を見つけて適切に対処しよう

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事業の運営にとって資金繰りは非常に大事です。仕入の代金の支払いや従業員への給与、設備などの投資など会社は常に資金を回して成長を続けていきます。

いわば資金は会社にとって血液のようなものであり、当然不足すると企業の状態=経営が悪化してしまう事に繋がります。

ここでは、資金繰りがうまくいかない際の原因の見つけ方や対処法をご紹介しています。現在資金繰りでお悩みの方は、是非ともチェックしてみてはいかがでしょうか。

安定した経営を行う上で資金繰りは非常に重要

一言で「資金繰りがうまくいかない」と言っても、その言葉の意味は企業によって様々な捉え方があるでしょう。

資金は仕入や製造、雇用など様々な場面で使用されます。仕入れを行うための資金が不足している事、銀行などから不足している資金を調達する事ももちろん資金繰りに含まれます。

資金繰りがうまくいかない=経営が行えないという事になりますから、財務・経営など資金繰りの担当者は常にこの問題について考えていかなければなりません。

利益が出ているのに倒産する、黒字倒産の危険性

企業の場合必要な資金を運転資金と設備資金に分け、資金繰り表を用いて長期資金繰り計画と短期資金繰り計画を立てていきます。通常、売上が一時的に下がったからと言ってすぐに会社が倒産してしまう訳ではありません。

もちろん、長期的に売上が落ち込めば倒産の危険性は高まりますが、一時的なものであればすぐにでも対処する事で会社を存続させる事は可能です。

しかし、資金繰りが悪化=ショートしてしまえば利益は出ているのに倒産してしまう所謂「黒字倒産」の危険性が高まります。

この黒字倒産を防ぐため、そして会社の経営を安定させるために資金繰りを数か月先まで把握しておく事は非常に重要だと言えるでしょう。

資金繰りが悪化した時の対処法は3つある?

実際に資金繰りが悪化した際、企業・経営者として取れる選択肢は大きく3つあります。1つは債務を清算する破産という選択肢。もう1つは追加融資を受ける事も資金繰り悪化の主な対処法となります。

しかし、会社の資金繰りが悪化したからと言ってすぐに破産を選択する経営者・企業は少ないと思われます。

よほどの理由が無い限り破産は最後の手段となりますので、既に融資を受けている・いないに関わらずまずは金融機関などからの融資・追加融資を検討する事になるのではないでしょうか。

この融資・追加融資は選択肢としてはもちろん正しいのですが、闇雲に金策に走ってしまっては今後も資金繰りが悪化する事が懸念されます。

つまり、「本質的になぜ資金繰りがうまくいかないのか」を理解し原因と対処法を考える事が3つ目の選択肢となるのです。

資金繰りがうまくいかない原因を見つけよう

ここからは実際に資金繰りがうまくいかない=ショートしてしまった場合の原因を考えていきましょう。資金繰り悪化の代表的なものとしては、以下のようなものが挙げられます。

もちろん、状況によっては複数の要素が複雑に絡み合っている場合もありますから、原因を考える際は慎重になる必要性があります。

売上の増加や減少が原因の場合

売上が急激に増加する事で、資金繰りがうまくいかなくなってしまう事があります。

売上の回収を現金以外にしているパターンを除くと、この場合は利益が十分に出ていない事が原因として考えられるでしょう。

売れば売るほど資金繰りは悪化していく状態となっていますので、間違っても売上を伸ばそうとしてはいけません。逆に、売上が減少している場合は売上の増加を検討する必要性があると言えます。

売掛金の回収が原因の場合

売掛金の回収が原因となっている場合は、資金繰りがうまくいかない時の典型的なパターンと言えるでしょう。

通常、売掛金は売上が確定した翌月・または翌々月の回収としている企業が多いはずです。

仕入れの代金を売上で補っている場合などは、売掛金の回収が追い付かない事ですぐに資金不足へと繋がります。

特にメーカーや卸売はこのような状況に陥りやすいのではないでしょうか。

借入金の返済が原因の場合

借入金の返済が原因で資金不足となるのは、既に融資を受けている企業にありがちなパターンです。

融資、借入金は事業の売上によって返済していく事が一般的です。無理なプランや高金利の融資を受けていた場合、当然資金繰りに困ってしまう事があるでしょう。

例え確実だと思われるプランを組んでいたとしても上記の売上の増加や減少、売掛金の回収が引き金となり借入金の返済が滞ってしまうような事も考えられます。

過剰在庫が原因の場合

在庫が多いという事はつまり、仕入に使用した資金をしっかり回収出来ていないという事です。

資金が回収できていない事と合わせ、倉庫などを使用していた場合は在庫の維持・管理費用なども資金繰り悪化の原因として考えられます。こちらは特に製造業などに良く見られる原因でしょう。

その他の要因

上記以外でも資金繰り悪化の原因は複数存在します。例えば、過剰な設備投資を行っていた場合や納税による資金不足です。

将来的な事を考えず、余裕が出来たからと言ってすぐに投資を行っていては資金が不足する事も十分考えられるでしょう。

また、法人税や消費税などが原因となる場合は設立して1年目など日の浅い企業によく見られます。

資金繰りがうまくいかない時の対応策

上記で資金繰りがうまくいかない時の原因の見つけ方をご紹介させて頂きましたが、次は実際にどのように対処するのか考えていきましょう。

原因を見つけるとともに、一刻も早く対処を行うのが資金繰りを改善する最良の手段です。

粗利率のアップ、経費の削減等を行う

売上の急激な増加が原因となっている場合で、利益が十分に出ていないのならば粗利率のアップや経費の削減等を行います。

売上が増加するほど資金が不足してしまう本末転倒とも言える状況ですので、早急な改善が必要だと言えるでしょう。

また、逆に売上が減少している場合は固定費である経費の負担が大きくなっているはずですので、こちらもまずは経費の削減が有効です。

確実に売掛金を回収する

売掛金の回収が原因となっている場合は、単純に回収期間を早めて対処します。

もちろん、現在の取引先との兼ね合いもあるでしょうから簡単に回収期間を早める事は難しいでしょう。

支払いの催促時期や締日から支払日までの猶予期間を見直し、資金繰りを改善する事が重要です。

逆に買掛金が原因となっている場合は、支払条件の交渉を行う必要性があると言えます。

借入金の返済プランを見直す

既に取引を行っている金融機関・事業者がある場合は借入金の返済プラン見直しを打診します。

月々の返済額を減額してもらう事や、利子だけを払う繰り延べなども検討すると良いでしょう。

借入金額や理由にもよりますが、確実に融資を回収したい金融機関・事業者側からすればこの打診を断る理由はないはずです。

過剰在庫を処分する

在庫過多となっているならまずは売却する事を考えるはずです。しかし、在庫の売却に拘っていつまでも同じ状況に留まるのはあまり良いとは言えません。

どうしても在庫を売る事が出来ないなら、早々に処分を検討するのも一つの手ではないでしょうか。

例え原価割れになったとしても、保管・維持費などを考えると最終的には処分した方が資金繰りの改善に繋がる事があるでしょう。

融資、追加融資などを検討する

様々な対処法を検討したとしても、資金繰りが改善しない事があるでしょう。

そのような状況で破産を回避するなら、最終的に融資や追加融資などを検討していきます。銀行や専門の事業者、消費者金融など事業資金を取り扱っている機関・企業は多いものです。

また、近年では売掛金や手形を売却する事で資金を得るファクタリングなども台頭してきています。

今後の返済計画や融資までのスピードなどで自社に合った適切な方法を検討するのが良いでしょう。

【まとめ】資金繰りがうまくいかない時は適切に対処する必要がある

いかがだったでしょうか。

資金繰りがうまくいかない際の原因は、その時の状況によって様々なパターンが考えられます。

場合によっては、複数の要素が同時多発的に原因となってしまっている事もあるでしょう。

経営状態を改善するため、そして企業を成長させていくためには常に資金繰りについて考えていく事が重要なのです。