アメリカの2大クラウドファンディングの1つ!Kickstarterの評判・口コミまとめ

2009年にアメリカで誕生したクラウドファンディングサイト、Kickstarter。同じくアメリカ発のIndiegogoと並び、アメリカの「2大クラウドファンディングサイト」と呼ばれるほどの巨大な規模を持っています。2017年からは日本語版をオープンさせ、満を持して日本国内のクラウドファンディング市場に乗り込んできたKickstarter。

ここではそんなKickstarterの評判・口コミ、使い方の詳しいポイントをご紹介したいと思います。これからKickstarterの利用を検討している方は、是非ともチェックしてください。

Kickstarterとは

アメリカのクラウドファンディングサイトであり、ここ日本でも名前が知られるKickstarter。
その規模は世界中に存在するクラウドファンディングサイトの中でも第1位と言われており、2017年時点でこれまでに13万件のプロジェクトが成功し、日本円に換算して約3,500億円以上もの資金を集めています。「Kickstarter 統計 (https://www.kickstarter.com/help/stats?ref=hello)」

とにかくプロジェクトの数が多く、魅力的なプロジェクトもある事からこれまでにわざわざ日本から支援を行う方も存在していました。しかし、2017年9月の時点で日本語版に対応したサイトが本格的に稼働し、これまで以上にKickstarterでの支援が行いやすくなっています。これからKickstarterが日本のクラウドファンディング市場にどのような影響をもたらしていくのか注目が高まっています。

Kickstarterの沿革

大規模なクラウドファンディングサイトであるKickstarterの誕生は2009年の4月28日。設立はペリー・チェン、ヤンシー・ストリックラー、チャールズ・アドラーの共同出資という形で行われました。設立後から僅か1年、つまり2010年には約4,000件のプロジェクトが成功しており、これにより一気に米国内での注目を集める事になります。ちなみに2008年に設立された同じく米国のクラウドファンディングサイトIndiegogoと合わせて、現在では米国の2大クラウドファンディングと呼ばれています。

以降、国内外からのKickstarter参加者は増加の一途をたどり、2014年には既に1,000億、2015年には日本円に換算して2,400億円、2016年には約2,500億円、2017年時点では約3,500億円を達成するなど一気に累計支援額を伸ばしてきました。その背景には、公式アプリのリリース・新たなサービス開始を行い積極的に利用者を拡大してきた事、また利用者数が増加する事に比例して100万ドルや1,000万ドルといった非常に高額なプロジェクトが登場してくるようになった事などが考えられます。

2016年以降はDMM.comをはじめとした企業がKickstarterへのプロジェクト申請支援を行う事業を続々と展開するなど、日本国内からの需要も高まりつつありました。しかし、先にご説明した通り2017年からは日本語版Kickstarterが稼働。プロジェクトの申請はもちろんの事、より国内からの支援が行いやすくなっています。

Kickstarterの主な特徴

Kickstarterは現在世界中で浸透してきたクラウドファンディングの元祖と言っていいほどの存在です。実際、日本国内に存在しているクラウドファンディングも米国での盛り上がりを受けて設立されたものがほとんどとなっています。それだけに利用者数や累計支援額も桁違いであり、未だクラウドファンディングの中でNo.1の地位を誇っています。Kickstarterのプロジェクトは支援者に対してリターンを送る「購入型」が主流となっており、これは設立時より変わらない特徴です。

ただ、プロジェクトの数が多い一方成功率は3割前後となっており、目標金額を集めた後にプロジェクト発案者が破産申請を行うケースなども目立ちます。それ以外でもKickstarter側が判断してのプロジェクトの中止、特許紛争なども多いのです。運営者の手が回らないほど巨大なクラウドファンディングとなったため、良質なものから悪質なものまで幅広いプロジェクトが掲載されているのは事実。この事を考えると、プロジェクトを支援するかどうかの判断はある程度支援者に委ねられていると言っても過言ではないでしょう。

Kickstarterの利用資格者

Kickstarterの支援はこれまでPayPalなどの海外決済システムを通して行う事ができました。プロジェクトの申請はアメリカ国内の住所、銀行口座を持っていなければできませんでしたが、上記でご説明させて頂いたDMM.comなどの申請支援事業が多く登場し、日本国内からもプロジェクトの申請を行う方が登場してきたのです。

しかしながら、2017年9月からは日本国内からも容易に利用する事ができる日本語版のKickstarterがオープンしました。支援はもちろんの事、身分と銀行口座を登録すればスムーズにプロジェクトを申請する事ができるため、今後は国内からKickstarterを利用するのならこの方法が主流となっていくと思われます。

Kickstarterの支払い料金・手数料

Kickstarterの手数料は、アメリカ版と日本語版で少し違いがあります。まず、「成功報酬」と呼ばれる5%の手数料。これは目標金額を達成した場合必ず発生するものであり、アメリカ版・日本語版ともに共通です。また、これとは別に「決済手数料」と呼ばれるものが存在し、アメリカ版は3%~5%、日本版は4.5%で一定となっています。アメリカ版は決済手数料に幅がありますが、すべて合わせると概ね8%~10%の手数料がかかると覚えておけば問題ありません。

また、Kickstarterのプロジェクト募集方法は設立時から一貫して「All or Nothing」のみとなっています。「All or Nothing」は目標金額を達成した場合のみ資金を入手する事ができ、未達成の場合手数料は発生しません。アメリカでKickstarterと双璧をなしているIndiegogo、そして日本国内のクラウドファンディングもそのほとんどが「All or Nothing」と別の方法を組み合わせた2~3種類のとするのが一般的ですので、これほどまでにシンプルなのは驚きです。

Kickstarterのメリット

支援者数が桁違い

アメリカや日本をはじめ、様々な国からプロジェクトの申請者・支援者が集まるクラウドファンディングサイトであるKickstarter。世界第1位のクラウドファンディングサイトとして位置づけられているだけあり、その支援者数は桁違いです。利用者数は流動的ですので算出する事が難しいのですが、これまでの支援者数は日本語版Kickstarterが公開しているデータを元にすると14億人以上となっています。「Kickstarterについて (https://www.kickstarter.com/about?ref=footer)」
設立から僅か6年でこの支援者数ですので、まだまだプロジェクトの支援者は増加していくと考えられます。

もちろん、支援者数が多いからと言って必ずしもプロジェクトの成功率が高いわけではありませんが、積極的に支援者数が少ないクラウドファンディングを使う理由も特にないのでは。

アメリカンドリームばりの高額資金調達が可能

利用者数が桁違いのKickstarterは、その目標金額も高額となっています。
日本円に換算してご紹介すると、1億円や10億円を超えるようなプロジェクトもすでに何度も誕生しています。例えば、2012年に募集が行われたスマートウォッチを制作する「Pebble E-Paper Watch」プロジェクトは最終的に約10億円近い金額を集める事に成功しました。

また、先ほど2016年時点でのKickstarterの累計支援額は約2,500億円と述べました。CAMPFIREやReadyforなどの国内の主要なクラウドファンディングサイトをすべて足しても2016年時点では90億円に届かないのが現状となっていた事から、Kickstarter内の累計支援金額がいかに凄いものか良くわかります。日本発でこれほどまでの金額を集めたプロジェクトはまだ存在していませんが、まだまだKickstarterが高額な資金を入手できる場である事には変わりありません

著名なプロジェクト・クリエイターが多く集まる

募集されたプロジェクトが最終的に何らかの賞を受賞する事が多いのも、Kickstarterの特徴です。特に短編ドキュメンタリーの分野では「Sun Come Up」や「Incident New Baghdad」などの作品がアメリカで最高の賞であるアカデミー賞にノミネートされるなど、最終的にはクラウドファンディングの枠を飛び越えた人気を博しました。

Kickstarterを利用している著名人は、俳優・ミュージシャン・写真家・デザイナーなど様々なクリエイターが存在しています。当然ではありますが特にアメリカ出身のクリエイターが多く、自身のプロジェクトを世界的に有名なものにしたい方にとってはやりがいが多い事でしょう。

名前を知ってもらう機会になる

Kickstarter内で募集が行われるプロジェクトは基本的にメディアへの掲載確率が非常に高くなっています。これは何も有名なクリエイターや人気を博すプロジェクトだけに限った話ではありません。

例えば、ネットニュースを中心に「Kickstarter内でこういったプロジェクトが募集されている」という記事を目にした事がある方は多いのではないでしょうか。これまでになかった商品、新しいサービスなどは特に話題になりやすく、国内を中心に様々な方に自身・自社の名前を知ってもらう良い機会となりえます。「All or Nothing」方式のみというKickstarterのシンプルな募集形式も相まって、プレゼンテーション、またはテストマーケティングの場として使用するにも大変向いているのです。

Kickstarterのデメリット

玉石混合のプロジェクト

Kickstarterは基本的にどのような方でも利用する事ができますが、敷居が低い事も相まってプロジェクトが玉石混合となっています。これは、運営チームがプロジェクトの厳選よりもプロジェクト数の増加に比重を置いているのも一因のようです。

また、特に製造系のプロジェクトは目標金額達成後の破産申請が多いのが特徴的。原因はプロジェクト募集者の資金使い込み、計画の甘さなど様々なものがありますが、そのような事態が続いた事で支援者はより良いプロジェクトのみに投資しようと考えています。支援者の支持が得られるよう、自身のプロジェクトに甘さが残らないよう徹底して努めましょう。

成功する確率の低さ

Kickstarterでの成功率は全体で3割ほどとなっており、利用者数に対して比べるとあまり多いとは言えません。先ほどご紹介した運営チームの比重の置き方も相まって、この成功率は2017年現在も横ばいです。
ただし製造やデザインの多いプロジェクトは、Kickstarterに限らず大体3割くらいの成功率に収まるという結果が出ています。また、人気が集まりやすいものとまったく人気が集まらないものに2分されやすくなっていると言えるので、なるべく過去に成功したプロジェクトを参考にするのが良いでしょう。

Kickstarterを使う際のポイント

2017年に日本語版のKickstarterが誕生した事で、基本的に国内からの利用はこちらを利用するのが一般的となりました。日本語版のKickstarterでも掲載されるプロジェクト、登録方法などは基本的に同じです。ただ、Kickstarter日本語版 (https://www.kickstarter.com/discover/countries/JP)のサイトをチェックして頂ければ分かるかと思いますが、2017年10月時点ではまだ「とりあえず日本語版にしてみた」といった感じは否めません。その点はひとまず置いておくとして、ここでは日本語版Kickstarterに準じてポイントをご紹介します

現在Kickstarter内で募集できるプロジェクトカテゴリは「ジャーナリズム・ダンス・テクノロジー・デザイン・パブリッシング・ファッション・フィルム&ビデオ・フォトグラフィー・フード・ミュージック」を中心としており、他にもサブカテゴリーを設定できるなど細かなジャンル分けがされています。あまりにも掲載されているプロジェクトが多いKickstarter内では、このジャンルやカテゴリーをはじめ「終了間近・新しい掲載」などからプロジェクトを探すのが一般的です。なるべく支援者に見つけてもらいやすくするため、カテゴリーやジャンル分けには最新の注意を払いましょう

また、独自のサービスとして運営に日本語で相談を行う事ができる「Kickstarterプロジェクトスナップショット」(https://kickstarterjp.typeform.com/to/Dnkp5e)なども利用する事ができます。日本語版がオープンしたとはいえ、海外向けにプロジェクトをアピールするのなら英語は基本的に必須。そのような事からまだまだKickstarterを本格的に利用している日本人は少ないと言えるでしょう。しかし、逆に考えてみればこれはチャンスとも捉える事できるのではないでしょうか。

Kickstarterの成功例

クラウドファンディングサイトの元祖とも言えるKickstarterだけに、これまでに成功したプロジェクトは山のように存在しています。有名なものも数多くありますが、せっかくなのでここでは日本発のプロジェクトをご紹介します。

アニメーション映画「アラームの虫籠」制作プロジェクト

こちらは先にご紹介させて頂いたDMM.comの申請支援事業を通じて行われたプロジェクト。新進気鋭のアニメーションクリエイターであった坂本サク氏によるプロジェクトであり、目標金額であった$4,000を僅か2日で達成しました。ウォールペーパーやポストカードがリターンとして設定されており、国内・海外のアニメ愛好家の目に多くとまった事も成功の理由です。

「アラームの虫籠」制作プロジェクト
https://www.kickstarter.com/projects/1406962625/soloing-the-full-length-animated-movie-aragne?ref=project_link
 

ショートフィルム「After Maiko」制作プロジェクト

こちらは舞子さんに関するショートフィルムを制作するプロジェクト。募集を行ったのはクリエイターであるYuske FUKUDA氏であり、申請支援事業を通していないのにも関わらず目標金額の$10,000を見事に達成しています。Kickstarter内での日本からの成功例を見るとアニメ、伝統などの日本ならではのプロジェクトが成功しやすくなっている事が伺えます。どのようなプロジェクトであっても、これらの条件は日本からKickstarterを利用して成功するための鍵といえるかもしれません。

ショートフィルム「After Maiko」制作プロジェクト

【アメリカ発のクラウドファンディングサイトKickstarterのまとめ】

いかがだったでしょうか?
アメリカではIndiegogoと並び、2大クラウドファンディングサイトとして一般にも広く認知されているKickstarter。
アメリカでの高い評価に対して、日本語版サイトのオープンはごく最近ですのでまだ際立った評価や口コミなどは存在していません。
しかし、現在ではKickstarterのCEOを務めるヤンシー・ストリックラーは、積極的に日本のクラウドファンディング業界に乗り込んで行こうという気概を持っています。
「CINRA.NET ヤンシー・ストリックラーインタビュー (https://www.cinra.net/interview/201710-kickstarter)
国内のクラウドファンディングサイトよりも高い成功を目指したいなら、アメリカ発のクラウドファンディングサイトであるKickstarterの利用を検討してみるのはいかがでしょうか。