事業資金の調達の種類、返済計画、審査、及びファクタリングとの比較など徹底解説!
ここでは会社を運営する事業資金について、調達の種類、返済計画、審査やファクタリングとの比較など詳しく解説します。
目次
事業資金調達の種類
事業資金の調達方法は、大きく分けると「資産」「資本」「負債」の3つに分類されます。
資産
土地や建物、絵画などの資産を現金に変えて調達する方法です。
資本
社債や株式の発行により資金調達する方法です。
負債
銀行、信用金庫、信用組合などの金融機関から借り入れる融資の形態です。その他、リース、経費決済の法人クレジットカード、売掛債権流動化や公的支援制度などもあります。
事業資金の調達の計画について
事業資金を調達する場合は、事前に計画することで適正な調達が可能になります。
まず、計画決算書や試算表などを用意して現状を分析します。
次に分析によって洗い出された問題点を解決するには、どのような資金調達方法がベストなのかを検討した上で、綿密な事業計画を立て、資金調達を行うとよいでしょう。
負債による事業資金調達の注意点
事業資金の調達方法は3つに分類されますが、一般的に中小企業の場合「資産」「資本」での調達が難しいケースがあり、最終的に「負債」での調達となる場合があります。
負債で事業資金を調達する場合は、事前に計画することで適正な調達が可能になります。
事業計画は提供するサービスの分析やサービスによる将来的な収益、日々変化するマーケットの動向も視野に入れてしっかりとした返済計画を立てる必要があります。
金融機関などに説明する際は、分かりやすい内容にまとめることも大事です。
返済計画を立てることはとても大切で、どのように返済を行っていくのかを明確に示せることも、借り入れをスムーズに進めるために重要といえます。
公的融資制度による融資について
都道府県や市区町村単位で様々な融資制度があります。一度調べてみるとご自身に合った融資制度が見つかるかもしれませんので各行政の窓口に相談してみてください。
資金調達のポイントは、低コストで手間をかけずに事業資金を調達することです。
公的支援制度や融資制度をうまく活用して、会社を運営していくことも有力な選択肢の一つといえるでしょう。
公的融資制度や保証制度などをメインに利用できるように、こまめに地域のサイトで情報収集を行いましょう。
利用できるものがあった際には積極的に活用してみるといいでしょう。どれが自社で利用できるか分からない場合には、窓口へ行って聞いてみても良いでしょう。
急いでいない場合は日本政策金融公庫も
国が100%出資して中小企業や個人事業主をサポートする日本政策金融公庫という金融機関があります。審査が1ヶ月程度かかるのですぐに事業資金が必要な場合は不都合になってしまいますが、急いでいない場合は利用するのに適しています。
- 低金利(年率2%程度)
- 融資の相談がしやすい
- 事業のアドバイスをもらえる
などのメリットがありますので時間に余裕がある場合は日本政策金融公庫で融資を受けることも一つの選択肢として検討してみましょう。
民間企業の融資審査について
公的機関や銀行の融資が難しい場合、ノンバンク系のビジネスローンや事業者向けローンの活用が考えられます。
開業間もない経営者の方には個人事業者向けの不動産担保ローンや法人を対象にした経費決済のクレジットカードもあります。
中でもビジネスローンの種類は多種多様で、無理なく調達ができるケースがあります。
法人用のクレジットカードの場合には、接待や出張などでかかった費用を決済することができ、効率的な資金運用から、合理的な経理事務を目的に発行される場合があります。
融資の審査について
事業資金の調達先はいろいろとありますが、それぞれ審査ハードルが違います。
「公的融資制度」の場合は融資審査が比較的緩いのが特徴です。
政府や自治体が行う融資制度ですが、最大の魅力は民間金融機関と比較して審査のハードルが低い点です。
適切な事業計画があれば、まずは公的融資制度から利用することをおすすめします。
また、銀行と比べると創業したての会社にも優しく、中小企業に重宝されています。
公的資金制度を行っている機関としては「日本政策金融公庫」「信用保証協会」「商工会議所」などが挙げられます。
どの融資制度もそれぞれ特徴が違いますので、会社経営に合った種類を選ぶとよいでしょう。
銀行で借ることがでれば安心と考える方が多いですが、銀行は万が一、貸出したお金が返ってこないと困るので、事業資金の融資の審査については事細かにチェックを重ねられるため一番厳しいと言われています。
プロパー融資においては、信用保証の付かない事業資金融資のため、それなりの信頼感が必要となります。
開業したばかりの中小企業では融資を受ける事は極めて難しく、銀行との融資取引実績を2~3年積んだ上で、ようやく銀行でのプロパー融資が利用できると考えられます。
プロバー融資は、銀行が独自に融資を行います。銀行側もリスクを負うことになるため厳しし基準の中で慎重な審査が行われます。
審査のポイントとして、返済が可能だと言える具体的な原資を提示することです。面接時にしっかりと返済能力について説明しましょう。
ノンバンク系の融資について
融資を行う会社の1つにノンバンクがあります。
審査の面で銀行や信用銀行と違いノンバンク系は「柔軟さ」や「スピード」がある点が特徴です。
早ければ即日融資も可能な場合もあり、事業資金調達を急ぎたい経営者にとって便利なサービスです。なお、利便性がある反面、金利はやや高めに設定されていますので注意が必要です。
ノンバンク系として「信販会社」「消費者金融」「事業者金融会社」「不動産融資専門会社」「リース会社」などが挙げられます。
貸金業法によって登録が義務付けられているため、無許可で貸金業を行う事は認められていません。銀行との大きな違いは預金や為替業務を行わない点です。
ノンバンク融資のメリットが他にもあります。例えば、現在会社が赤字や税金未納の状態だとしても、会社の未来を見て融資の判断を行ってもらえます。
また、銀行と違い事業融資のサービスが多く、融資を受けたい企業にとって選択肢が多い点はメリットです。
融資の担保について
ノンバンク系のビジネスローンなどは無担保で融資が可能なサービスが増えています。
ただ、不動産担保ローンを利用できる場合には、通常のビジネスローンよりも低金利で利用できるお得なローンもあります。
融資のフットワークが軽く銀行よりも融通が利くので、切羽詰まっている時には心強い選択肢だといえます。
ローンサービスの選び方
どれを選ぶか分からない場合、まずは銀行系のノンバンクを利用するのがおすすめです。
親会社に銀行を持つ消費者金融ローンの「プロミス」や「SMBCモビット」「アコム」や「レイク」といった聞き馴染みのある企業を選ぶのも選択肢の1つです。
不動産金融専門会社やリース会社でも銀行系ノンバンクがあります。
事業資金調達を成功させるポイント
新たにビジネスを始める場合や、会社の運営のためには事業資金が必ず必要です。
資産や資本を活用した事業資金調達が難しい場合は融資などの負債による調達になります。
その際には、無理のない範囲で無担保の事業者ローンや不動産担保ローンなど、民間金融機関を利用しながら資金調達をするようにします。
但し、無理なく返済できるのかをじっくり考えた上で利用するようにしましょう。
ビジネスローンとファクタリングの比較
銀行融資の審査が厳しい場合、ビジネスローンの他、ファクタリングによる事業資金調達も考えられます。
会社によってどちらの方法が適しているか変わってきますので比較して考えていきましょう。
ビジネスローンとファクタリングを項目別に比較していきました。以下のようになっていますので参考にしてみて下さい。
限度額
ビジネスローン | 最大1000万円程度 |
ファクタリング | 売掛債権の金額の範囲内 |
金利・手数料
ビジネスローン | 年率10%から15%程度 |
ファクタリング | 2社間は手数料が20%程度、3社間は手数料が5%程度 |
担保・保障人
ビジネスローン | 不要 |
ファクタリング | 不要 |
審査基準
ビジネスローン | 会社の信用性 |
ファクタリング | 売掛債権の存在 |
調達スピード
ビジネスローン | 最短即日 |
ファクタリング | 最短即日 |
信用情報
ビジネスローン | 影響あり |
ファクタリング | 影響なし |
ビジネスローンを利用する方が手元に入ってくる金額が多くなる
事業資金を調達するときにビジネスローンを利用すると金利が発生し、ファクタリングを利用すると手数料が発生します。
ビジネスローンは年率が10%から15%程度ですので銀行融資よりやや高いと言えます。
ファクタリングは取引先に通知する3社間取引をする場合は手数料が5%ですが、関係性を考えると内緒にしたいものです。
そのため取引先に通知しない2社間取引で事業資金を調達するのが一般的です。
2社間取引をするときは手数料が20%程度ですのでビジネスローンと比較して高いと言えます。
ビジネスローンを利用して事業資金を調達した方が手元に入ってくる金額が多くなります。
経営難でも資金調達しやすいファクタリング
ビジネスローンもファクタリングも利用するときは審査が行われて可決されなければいけません。
ビジネスローンは信用性を重視するため収益や債務状況などをしっかり確認します。
そのため経営難だと審査が否決となってしまうケースがあります。 一方、ファクタリングは売掛債権を資金化する方法のため、経営難でもしっかり存在していれば審査が可決されます。
経営状態が赤字になっている場合はファクタリングを利用して資金調達をする方が効率が良いと言えます。
即日調達をするならビジネスローンの方がいい?
ビジネスローンとファクタリングは共に調達スピードが最短即日となっています。
そのため即日調達したいときはどちらを利用してもいいのではないかと思ってしまう人も多いのではないでしょうか。
実際に即日調達をしたいときはビジネスローンを利用するのがおすすめです。
ファクタリングは決算書、試算表、取引の履歴など提出する必要書類が多いので用意するのに時間がかかってしまいます。
しかも午前中の早い段階に申し込みをしないと即日調達をするのは難しいのです。
ビジネスローンは決算書不要でスコアリングシステムにより自動的に審査してもらえるため即日調達をするのにそれほどハードルは高くありません。
すぐに事業資金を調達したい場合はビジネスローンを利用してみましょう。
個人事業主が事業資金を調達する時もビジネスローンの方がいい?
個人事業主が事業資金を調達するときにビジネスローンとファクタリングのどちらを利用すればいいのか分からない人も多いのではないでしょうか。
実際にどちらを利用しても事業資金を調達することができますが、審査が通りそうな場合はビジネスローンの方が良いでしょう。
個人事業主が売掛債権を保有していても信用性の高さに疑問が出てしまい審査が長引いてしまいます。また、手数料が高いので個人事業主にとっては負担が大きいです。
ビジネスローンは個人事業主のサポートにも力を入れていて審査スピードも早いのでスムーズに事業資金を調達することができます。
まとめ
中小企業の経営者や、新しく会社を立ち上げたばかりの経営者にとって事業資金の確保は悩みの1つです。
公的融資制度や銀行からの融資だけに縛られずに、その時々の状況に応じて柔軟に複数の調達先を使い分けていくことも大切です。
融資を受ける際には、提出する書類作りが成功への重要なカギとなりますので、会社の現状や将来性などを理解してもらえるように十分に準備をしておきましょう。
また、ビジネスローンとファクタリングの比較ではいろいろな部分で違いがあります。
実際にどのような状況になっているのかをしっかり分析してどちらを利用して事業資金を調達するのか決めてみてはいかがでしょうか。