資金調達ガイド

知っておきたいファクタリングによる資金繰り改善のチェックポイント

ファクタリングは企業が保有している売掛債権などを業者に売却する事によって現金を入手する資金調達の手法で、資金繰り改善の効果があると言えます。

しかし一方でファクタリングの手数料を考えれば利用すれば利用するほど事業の収益性が悪化するのではないかという懸念もあります。

ここではファクタリングによって資金繰りの改善は期待できるのか、ファクタリングする事によってかえって資金繰りが悪化する事につながらないのか、ファクタリングと資金繰りの関係について説明します。

 

ファクタリングの手数料についてはこちらの記事が参考になります。

>>ファクタリングの手数料を抑えるコツ

 

支払いサイトが長い債権を保有しがちな企業はファクタリングによって資金繰りが改善する

まず、資金繰りの改善が期待できる企業は建設・ITなどの1案件が長期に渡り、仕事の開始から終了、入金までに時間がかかる業種です。例えば毎月の売上100万円、諸経費80万円、営業利益20万円という企業について考えてみます。

現金商売の場合、毎月20万円ずつ増えていくので、支払いのタイミングが月末であれば運転資金が無くても営業する事が可能です。

しかし、支払いサイトが3か月の場合、仕事を始めてから4か月目に1か月目の入金がされる事になるので3か月までの諸経費は持ち出しとなります。

よって3か月目には80万円×3か月=240万円を自己負担できる様に運転資金に余裕を持っている必要があります。更に、支払いサイトが6か月になると6か月目には80万円×6か月=480万円と500万円近いお金を運転資金として余分に保有しておく必要があるのです。

更に例えば支払いサイト3か月で仕事をし始めてから5か月目の途中に元請けの企業が倒産して売掛金を一切回収できなくなった場合、4か月目末までに回収できた売上100万円、諸経費320万円になり220万円の赤字となります。このように支払いサイトが長いという事は非常にリスクが高く多くの運転資金が必要となるのです。

このようなケースではファクタリングによる資金繰りの改善が期待できます。上の支払いサイト3か月のケースに対して手数料5%でファクタリングし、翌月には入金されるようになったと仮定します。

1か月目は諸経費80万円を持ち出しになりますが、2か月目以降はファクタリングの手数料を差し引いても15万円の営業利益が発生します。つまりファクタリングを使用しない場合240万円の余分な資金が必要なのに対してファクタリングを使えば80万円の運転資金で大丈夫なのです。5か月目の途中に元請けの企業が倒産した場合でも4か月目の売掛債権が倒産するまでにファクタリング完了していれば、回収できた売上380万円、諸経費320万円となります。ファクタリングをしない場合220万円の赤字が発生するのに対して、ファクタリングを利用すれば60万円の黒字となるのです。

このように支払いサイトが長い債権を保有しがちな企業はファクタリングによって債権が改善する可能性があります

サービスの需要はあるものの、資金が追い付いていない企業はファクタリングによって資金繰りが改善する

また、サービスに対する需要があるものの、資金的な理由から十分にサービスの供給ができていない企業ファクタリングによって資金繰りを改善し、事業の成長スピードを高められる可能性があります

例えば、あるメーカーが初期の商品製造の資金100万円、粗利率50%、売上の回収サイト2か月で事業を行っているとします。商品の需要が多くて作った商品は1か月で完売し、回収した売上はすべて商品製造の資金に回すと仮定します。すると、このメーカーは1か月目に200万円を売上、3か月目に200万円回収、4か月目に400万円を売上、6か月目に400万円を回収という風に半年間で商品製造の資金が400万円まで増加します。

これに対して例えば商品の供給をスピーディーに行う為に手数料10%を払ってファクタリングして翌月には入金できる様になったと仮定します。そうするとこのメーカーは2か月目に180万円を回収、4か月目に360万円、6か月目には720万円を回収することになります。

つまり、ファクタリングを利用しないと半年で400万円までしか商品の製造資金が膨らまないのに対して、ファクタリングを利用すれば半年で720万円まで製造資金を膨らませる事ができるのです。

このように、ファクタリングを利用する事によって資金回収のスピードを早めて、より事業のスピードをあげるという事も可能なのです。

ファクタリングサービスの種類によっても資金繰りが改善できるかがわかれる

もちろん、ファクタリングサービスの内容によっても資金繰りが改善できるか否かは変わります。重要なのがファクタリングに掛かる手数料です。
例えば二社間ファクタリングの場合については手数料が数%というのが相場に対して、三社間ファクタリングの場合は手数料数十%となります。二社間ファクタリングであれば十分にファクタリングによる資金繰り改善効果が期待できますが、三社間ファクタリングの場合はその手数料の高さから資金繰りの改善を行うのが困難で慎重に利用しなければかえって資金繰りを悪化させかねないと考えられます。この他にも、ファクタリングの手数料は、債権の相手先や、入金までの期間、取引実績などによって変化しますが、手数料が一定以上を超えるとかえって資金繰りを悪化させかねないので気をつけるべきだと言えます。

融資を引き出すためのファクタリング

その他にも、銀行から融資を受けて資金繰りを改善するためにまずファクタリングを利用して財務状態を良くするという使い方もあります。

ファクタリングを行うと貸借対照表から保有している売掛金が減る代わりに、現金が増えます。この売掛金が減って現金が増えるという事は銀行融資の際にも重要で、財務諸表を見た際に売掛金が多い会社は評価が低く、現金を多く保有している会社は評価が良くなります。このような理由から、銀行から融資を受けやすい財務体質が良い会社にするために、一度保有している債権をファクタリングによって精算し、会社の現金の保有額を上げるという手段が使われる事があります。

最期に

ファクタリングは計画的に利用しないと、一時的に資金繰りを改善する事はできても長期的にかえって前よりも資金繰りを悪化させてしまう諸刃の剣になりかねない資金調達方法なので利用は計画的に行う必要があります。

ファクタリングによって資金繰りの改善が期待できるケースは、支払いサイトが長い債権を保有しがちな事や、十分な粗利が確保できるサービスを扱っていて需要はあるけれども資金繰りの関係で売り上げを十分に伸ばせていない事、ファクタリング会社が有利な手数料で取引してくれる債権を保有している事などがあげられます。

このようなケースにあてはまる業種として建設・IT・医療・介護などが挙げられて、このような企業はうまくファクタリングを利用する事によって会社の成長を加速させる事も可能です。反対に卸売り卸売や建設機械などのような粗利率の低い業種のサービスはファクタリングの手数料が会社の資金繰りを悪化させかねないので慎重に利用した方が良いでしょう。

結局の所、ファクタリングは一概に資金繰りを改善・悪化させるものではなく、利用者のリテラシーが重要な資金調達方法です。自社のサービスの収益構造をきちんと理解した上で最も良い条件でファクタリングしてくれる会社を探して、ファクタリングの手数料が会社の資金繰りを毀損するか、手数料を払っても手に入れた資金がその後利益を生み出すのかを計算した上で利用してください。

 

資金ショート対策の参考記事はこちら

>>資金ショート対策5選

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