資金調達ガイド

親族や知人など身近な人から借金をする際に抑えておきたい心得とは

日々の生活費や住宅を購入する為の費用など、手元の現金だけでは支払いに足りない場合に直ちに資金を調達する方法として広く活用されているのが借金という方法です。

銀行や消費者金融など金融機関から借金をするのではなく、両親や親族、或いは親友や知人など身近な人からお金を借りる際にはどのような点を正しく理解しておく必要があるのでしょうか?

今回はその心得と注意点についてご紹介します。

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■親族や知人からの借金も返済の義務あり

銀行や消費者金融などの金融機関から借金をすると、たとえその残額が1円という微々たる額であったとしても、全て完済されるまでは借金の返済や督促をうけるのが常識です。

一方、両親や兄弟、身近な人から借金をした場合、返済を迫られても身近な関係性に甘えて延ばし延ばしになる場合があります。特に親族などの場合は、本来の返済日から少し遅れた場合でも、督促するケースはあまりないかもしれません。金融機関から借入した時のような利息の発生もゼロであったり、利息が発生するとしても限りなく少ない金額で抑えられる場合もあります。

しかし、実際にはたとえ親族や知人など身近な人から借りた借金でも、法的な観点から見れば借り主はその借金に対して正しく返済する義務があります。

また、貸し主との間で借金をする際に借用書を正式に作成していた場合には、その借用書に記された条件で返済を行う義務も課せられており、借り主はたとえ借り主の子供や兄弟であったとしても返済を行わなくてはいけません。

特に借金をする際にかわした借用書の中に、利息などの条件が合わせて記載されているのであれば、それらも正しく全て支払う義務が発生しますので、滞納などをせずしっかりと完済する必要がある点を理解しておきましょう。

 

■親族や知人からの借金には贈与税の可能性も

居住先として新たにマンションや戸建て住宅などを購入する場合の費用や自動車を購入する場合の費用、或いは自営業の方など事業を行っている方が会社の運転資金名目で高額な資金を親族や知人など身近な人から借金して賄うというケースが少なくありません。

この時、適切な対応や返済を行っておかないと、たとえ借金という名目で借りたお金だったとしても、法的な観点から贈与とみなされ、贈与税の支払いを求められるケースがあることをご存知でしょうか?

一般的に贈与とは、祖父母や両親がその孫や子供に対して手持ちの資金や有価証券、不動産などの資産を譲り渡す行為のことを指し、これを実際に行った場合には、その譲り渡した資産額に応じて税金を支払う必要があり、これを贈与税といいます。

贈与税に関するこの規定に照らし合わせると、第三者である銀行など金融機関から借りた借金ではなく、両親や知人など親しい続柄の人から借りた資金は、純粋な借金ではなく贈与された資金と見なされる危険性があります。

このような形で税務署から認定されると、ただちにその資金額に応じた税金を贈与税として支払う義務が課せられる可能性があります。

これを上手に回避する方法としては、たとえ親族や知人など身近な間柄であったとしても借金の名目で資金の貸し借りを行う際には、必ず双方の署名捺印が施された金銭消費貸借契約書か借用書を交わし、これを借金の完済まで保管しておきます。

また、実際に借り手側が貸し手側に対して借金の返済を行っているかどうかの実績も贈与か純粋な借金かどうかの判断基準と見なされているため、借用書に記載された返済額以上の額を必ず定期的に返済するようにしましょう。

この時、親族など身近な関係であればあるほど返済を手渡しで行うケースが少なくありませんが、手渡しだと返済した実績が公的に証明できないことから、必ず銀行振込や現金書留など送金した実績が残る手法を活用することがポイントとなります。

 

■低額でも必ず利息を徴収する

ローン商品などを販売している金融機関から借金を行った場合と比べ、親族や知人など親しい続柄の人から高額な資金を借金として借り入れた場合、その扱いには細心の注意が求められます。

上述したように、返済の仕方や借用書の有無によっては借金ではなく貸し手側から借り手側に対する贈与と見なされ、贈与税の徴収が行われるなど、思わぬ不利益を被る可能性が考えられます。

また、この贈与税の発生を未然に防ぐ上で特に重視しておきたいのが利息です。

子供世帯がマンションなど住宅を購入する際に親や祖父母として資金を貸したり、自動車を購入する際の費用として親が代わりにお金を出すなどのケースが少なくありませんが、ただ単にお金を拠出しただけだと、たとえ貸し手側が借金だと主張したとしてもこれは贈与と見なされ、贈与税の対象となってしまいます。

こうした不測の事態を防ぐ上で有効な手段となるのが、貸し付けた借金に利息を伴わせるという方法です。

高額な費用を借金の名目で借りたとしても、その借金に対して利息が一切発生していないと経済的利益と判断され、贈与税の対象と見なされる可能性が高くなります。

また、企業などに勤めている方が、その企業が行っている社内融資などの制度を活用してお金を借りた場合、借り手側の社員に対して1%以上の金利が課せられていれば、所得税法上も問題ないと見なされるので、こうした例を参考に借金総額の1%程度の額を基本に、借金に対する利息として貸し手側に支払うようにしましょう。

実際に借金の元本に対する返済だけでなく定額の利息分を併せて返済していることが分かれば、贈与では無く借金と断定される可能性が飛躍的に高まるため、贈与税発生のリスクを大幅に軽減できるでしょう。

 

■親族への返済は毎月確実に実施する

親族や知人など親しい続柄の間で借金を行った場合、しばしばその返済について事前に取り決めた期日を超えて滞納したり延納したりするケースが少なくありません。こうしたケースを法的な観点から見ると、この行為は返済を特段の理由無く滞納していると見なされる危険性があるということを心得ておく必要があります。

本来、親族や知人との間で借用書を伴った正式な借金を行った場合、その借用書に記された返済期日を守った返済が借り手側に義務づけられます。

これを守らず返済を意図的に滞納したり延納したりすると、この行為が貸し手側から借り手側に対する融資や贈与と見なされ、課税対象と判断されかねません。

特に親や祖父母などより身近な続柄の方からお金を借りた場合ほど、こうしたなし崩し的な状態が生まれやすいのですが、借り手側だけでなく貸し手側に対しても大きなリスクを伴う危険性があるので、返済は借用書に従った適切な間隔で実施するように心得ておきましょう。

 

■まとめ

銀行などの金融機関を通じてお金を借りる場合には、年収額のチェックや残債の確認など様々な部分で厳格な審査が行われ、条件によってはお金を借りることさえできないケースも多く見られます。

一方、親族や知人など身近な続柄の人からの借金であれば、双方の親しい間柄も寄与し多額の借金を得やすいというメリットがあるほか、支払いを猶予して貰えたりなど様々な恩恵を受けることができることから、こちらの手法を率先して活用する方も少なくありません。

ただし、親族や知人など第三者とは見なされない身近な人から借金をする場合には、そのやり方や返済の仕方によっては贈与税の課税対象と見なされ余計な出費が発生するなど様々なリスクを伴う危険性があることも同時に理解しておかなくてはいけません。

適切な手続きや返済を行い、借り手貸し手双方にとって健全な資金の貸し借りを行うよう心得ておくことが肝要です。

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