資金調達ガイド

ITと金融を融合!『フィンテック』とは?主要サービスと関連企業一覧紹介

2017年になってから、新聞やTVを中心にフィンテックというワードを聞く機会が増えてきています。

まだ一般には浸透していませんが、大手企業や投資家達の間でフィンテックが注目を集めているのは間違いありません。

ここではまだフィンテックを知らないという方に向けて、フィンテックがどのようなものなのか、主要なサービスや関連している企業などを含めてご紹介したいと思います。

 

フィンテック(Fin Tech) とは

フィンテック(Fin Tech)とは金融(Finance)と技術(Technology)を合わせた造語であり、簡単に言ってしまえばITと金融を融合させた新しいサービスの一つです。

一昔前では金融機関や営業店舗の勘定システムなどごく一部の事を指していましたが、国内で普及し始めてからは「ITと金融を融合させた新たなサービスが次々と登場してくる現状」を総合してフィンテックと呼ぶこともあります。

また、日本国内の公的機関ではフィンテックを「電子決済等代行業者」と表現される事もあり、徐々にフィンテックという言葉の意味自体が変化してきているとも言えるでしょう。

 

フィンテックが話題となるまでの経緯

フィンテックの始まりは日本、そして世界と比較しても数歩先を行くアメリカが出発点です。

フィンテックの歴史はまだ浅いのですが、ごく最近始まったものかと言うとそうではありません。

現在では国際的な決済サービスとして利用されているペイパル(PayPal)がありますが、一説ではペイパルがインターネット決済サービスを導入した1998年がフィンテックの始まりだと言われています。

2003年時点ではアメリカの金融業界紙であるアメリカン・バンカー(American Banker)がフィンテック関連企業に順位を付けた「Fin Tech100」なる番付を発表しており、この事からアメリカでは早い段階で盛り上がりを見せていた事が分かります。

その後インターネットを利用した国際送金サービスであるリップルラボ(ripple Labs)、スマートフォンの決済サービスであるスクエア(Square)などフィンテック関連企業が続々と誕生し、2014年にはアメリカ国内での投資額が9,887万ドルに達したとされています。

 

一方の日本はと言うと、2015年付近にようやくフィンテック関連事業に乗り出しておりかなり出遅れてしまいました。

実は国内のサービスではiモードやおサイフケータイなどがフィンテックの先駆けのようなものがあったのですが、企業側がフィンテックのようなビジョンを描けていなかった事なども含め結局携帯電話の付加サービスとしての域を出る事ができずじまいでした。

 

身近なフィンテックのサービス

ここまでのご説明で、フィンテックがどのようなものであるかは大まかに理解して頂けたかと思います。

しかし、フィンテックが導入される事で身近なサービスがどのように変化していくかはまだ分からないのではないでしょうか。

ここでは国内におけるフィンテックのサービスを、身近なサービス結びつけてご紹介していきましょう。

 

送金や決済に関わるサービス

数あるフィンテック関連のサービスの中で、最も身近にあると言えるのが送金や決済に関わるサービスです。

送金や決済に関わるサービスの有名なものは若者を中心に圧倒的なスピードで広まった通信サービスLINEが展開する「LINE pay」、楽天の「楽天 Pay」などがあります。

国内のものではありませんが、先にご紹介させて頂いた「PayPal」もこのサービスに含まれるという事です。

スマートフォンアプリやインターネットをクレジットカードや個人の銀行口座と直接結びつけ、個人間や商品購入の際の決済に利用できるこのサービスは、誰しも一度は利用した事があるのではないでしょうか。

 

会計や経理、家計簿のサービス

会計や経理向けのフィンテック関連サービスは「MF クラウド会計」や「freee」などがありますが、最近では会計ソフトとして昔から普及している弥生会計も参入するなどより盛り上がりを見せています。

個人事業主の確定申告の負担を減らしてくれるのはもちろんですが、その機能性から積極的に導入する中小企業も増えています。

会計や経理ほど規模が大きくなく、一般的な個人が利用できるものであれば家計簿アプリが挙げられるでしょう。

「Zaim」や「マネーフォワード」など、銀行口座やクレジットカードと結びつける事ができる家計簿アプリはその利便性から一気に普及しました。

 

投資や資産運用サービス

投資や資産運用サービス関連のフィンテックは、主に個人投資家などを中心として注目を集めています。

ロボアドバイザーとも呼ばれるこのサービスはまだ数こそ多くありませんが、「WEALTH NAVI」や「THEO」などが代表的なものとなります。

簡単に言ってしまえば自動で分散投資をしてくれるシステムという事になりますが、運営企業には専門的なライセンスなども求められる事があり普及が遅れているのが現状です。

反面、アメリカを中心に世界的に見れは増加傾向にあると言えるでしょう。

 

仮想通貨関連サービス

近年「ビットコイン」が盛り上がりを見せた事で、仮想通貨関連のサービスについては既にご存じの方も多いかもしれません。

「bitbank」や「bitFlyer」など専門の取引所を利用し、仮想通貨自体の売買や購入を行う事ができます。

その他、仮想通貨自体で物品購入を行う事ができるサービスも登場してきており、これからの展開に期待がかかる分野です。

 

フィンテックは資金調達手段としても利用可能

上記のように最近ではより身近なサービスとなってきているフィンテックですが、その他にも資金調達の一つとして利用可能です。

例えば、現在ネット上で個人が資金調達をする事ができる「クラウドファンディング」が注目を集めていますが、これもフィンテックの一つと言えます。

より詳しく言うならばクラウドファンディングの中でも「投資型」「融資型」と呼ばれる種類が当てはまるのですが、フィンテックはITと金融を融合させた技術革新という意味なので、クラウドファンディングもその一つと数える事ができるのです。

 

国内の「投資型」「融資型」クラウドファンディングは少しずつですが増えてきており、最近では直接融資を行う企業も登場してきています。

これらの事から、今後クラウドファンディングだけでなくフィンテックを利用した独自の融資サービスをする会社が増えてくると予想されます。

 

将来的には銀行が無くなる?

国内ではまだ際立った動きはありませんが、米国のフィンテック企業では既に預金や決済・融資と言ったこれまで銀行が担当してきた業務を行う企業も登場してきています。

決済や融資をフィンテック企業が行っている事自体銀行にとっては驚異と言えますが、更に主業務である預金のシェアまで奪われてしまうとどうなるでしょうか。

 

2017年現在、上記のような事態を危惧してかフィンテックに参入する大手銀行が続々と登場してきました。

金利が低いとは言え預金というシステムが無くなる事は当分無いでしょうが、フィンテックという技術革命が本格的な広がりを見せれば近い将来実店舗で営業する銀行が無くなってしまう可能性があるのかもしれません。

 

フィンテックの関連企業一覧

ここからは国内・国外別にフィンテックに関連する企業をご紹介したいと思います。関連する企業と言っても数が多いですので、ここでは直接フィンテックに関わる業務を行っている代表的な企業を中心にご紹介したいと思います。

 

国内のフィンテック関連企業

三菱東京UFJ
2017年、自社独自の仮想通貨である「MUFGコイン」を一般向けに公開。スマートフォンでの送金や割り勘などを目的に、主に若者をターゲットとしています。他の仮想通貨に対してどのような優位性を打ち出せるか注目を集めています。
三井住友銀行
2017年4月、指紋や音声を使ってより手軽にインターネット決済を行う事ができるサービス・それに関わる会社を設立すると発表。これは2017年4月1日にフィンテック関連企業を銀行が設立できるよう法改正されたのがきっかけです。なお三井住友銀行は2015年にアメリカのフィンテック企業「Plug and Play」とパートナーシップを結びフィンテック関連業務の準備を進めてきました。
日本クラウド證券
クラウドファンディングの資金調達方法の一つ「融資型」を運営する企業。比較的手軽に個人が小口投資家になれるとして注目を集めています。
野村総合研究所
日本最大級の民間シンクタンクである野村総合研究所が行っているのは、自社で作ったフィンテックサービスの提供など。同じくフィンテック企業であり、「おつりで投資」という変わったサービスで注目を集めるTORANOTEC株式会社などにシステムやサービスを提供しています。
NTTデータ
金融機関がフィンテックを開発できる「Open Canvas」、企業向けAPIサービスの提供・サポートなどを行っています。
株式会社スマートドライブ
株式会社スマートドライブではビッグデータを利用した運転情報サービス、車両専用機器の開発などを手掛けています。同じくフィンテック企業の一つであるクラウドファンディング「Makuake」で車両のデータ計測デバイスを販売した事も話題となりました。
マネーパートナーズグループ
FXの取引システム・サポートの運用を主に行っているマネーパートナーズを傘下に持つ企業。仮想通貨の取引所である「Zaif」を所有するテックビューロ株式会社と連携し、「Zaif」内に保有する仮想通貨をマネーパートナーズのプリペイド「マネパカード」で利用できるようにしています。
株式会社One Tap BUY
わずか3回のタップで株を購入する事ができるアプリ「One Tap BUY」を主力サービスとしています。また、One Tap BUYはフィンテックのスタートアップ企業として設立されたという側面もあります。
maneoマーケット株式会社
maneoマーケット株式会社が運営する「maneo」はインターネット上で「お金を借りたい人」と「貸したい人」とを結びつける新しいサービス、ソーシャルレンディング企業の一つ。国内では運営が早かった事もあり、ソーシャルレンディング企業の最大手として人気を集めています。
株式会社クレジットエンジン
こちらも同じくインターネット上で融資を受ける事ができるソーシャルレンディングサービス「LENDY」を主に取り扱っている企業。スマートフォンを含め、手軽で簡単な資金調達手段として注目されています。
リクルート株式会社
2017年8月より株式会社リクルートが運営する「じゃらんネット」が宿泊事業を行っている中小企業に向けて融資サービスをスタートさせました。最初は「じゃらんネット」に登録している企業が対象となっています。
楽天グループ
楽天グループのフィンテック事業としては、クレジットサービス「楽天カード」やネット上で取引する「楽天銀行」、「楽天証券などが」挙げられます。他にも「楽天市場」などの主要サービスを展開する楽天グループですが、売り上げが増加傾向にある事から今後はますますフィンテック事業に力を入れてくるのではないでしょうか。
電通グループ
フィンテック事業を手掛ける「フィンテックVB」や「Tranzax」など、主にフィンテック関連のベンチャー企業と資本提携を結んでいます。また、フィンテックの集積拠点として作られた「FINOLAB」を他企業と協業しています。間接的にフィンテックに関わる事が多くなっていますが、今後の動向から目が離せません。

 

国外のフィンテック関連企業

LendingClub
アメリカでは最大手のソーシャルレンディング企業LendingClub。2006年に設立され「個人向けの消費者ローン」を中心に取り扱い、たった10数年の間に「大手銀行に取って代わる存在」とまで呼ばれました。しかし、近年では創業者が辞任した事により業績が落ち込んでいます。
SOFi
こちらもアメリカのフィンテック企業であり、2011年当時スタンフォード大学院の同級生だった4人で創設が行われています。学生ローンの乗り換えや住宅ローンの借り換えを中心に、インターネットでの資金調達サービスを提供しています。日本の企業であるソフトバンクが出資している事でも有名です。
kabbage
主にインターネットショップに向けて融資を行っており、申し込みから融資決定まで最短6分というスピード審査が注目されています。一般的な融資と異なり、ショップの売り上げやトラフィックなどが審査基準に設定されています。こちらも同じくソフトバンクが出資を行っています。
WeSwap
上記3つはアメリカでしたが、こちらはイギリス発のフィンテック企業です。通過両替を主なサービスとしており、自身の通貨を入金しておけば他の通貨所持者と交換する事が可能です。ポンドやドルはもちろん、ユーロや円など幅広い通貨に対応しています。
Alipay
Alipayは中国のフィンテック関連会社であり、企業グループにはオンラインマーケットで名を知られるアリババなどが含まれています。主にモバイル決済などを主サービスとしており、その決済額はアメリカ発のPaypalを大きく引き離す額です。実は中国のフィンテック市場は日本と比べてもかなりの盛り上がりを見せていますが、Alipayはそのブームの筆頭格と言えるでしょう。

 

【まとめ】今後のフィンテックの動向をチェック!

いかがだったでしょうか?

国内ではまだまだ始まったばかりというフィンテックですが、海外を見れば大きな盛り上がりを見せており日本がいかに遅れているかを痛感させられます。

決済サービスやクラウドファンディング、アプリなどは一般にも徐々に浸透してきているような印象を受けます。

しかし、特に資金調達分野での国内フィンテックサービスに関してはまだ試験的に導入されているようなものも多く、今後普及していくかどうかは正直分かりません。

新しいサービスではありますが、だからこそ早めに情報を集めておけば今後フィンテックに関わる事があっても安心です。今回の記事を参考に、是非新しいサービスの一つであるフィンテックの知識を深めておくのが良いでしょう。

 

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